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『ただいま、世界の終わりを録画中』
 
B001TBUJ6Oダイアリー・オブ・ザ・デッド プレミアム・エディション [DVD]
ジェネオン エンタテインメント 2009-04-24

by G-Tools

監督:ジョージ・A・ロメロ

あらすじ
 大学の映画学科に所属する学生たち数人は山奥でホラー映画の
撮影中ラジオからのニュースに釘付けになる。

 世界中で死者が甦り、生きている人間を襲い始めているらしい。

 急いで彼らは自分の家族の元へ駆けつけようとするが行く手を
阻むようにゾンビたちが迫ってくる。そして、やっとたどり着いた
自宅でも家族たちが恐ろしい姿に変貌していた…


 手持ちカメラでこの恐ろしい現実を記録するという設定。

 撮影者であるジェイソンはカメラのレンズを通して惨劇を
冷静に撮影していく。目の前で人が襲われようと、ゾンビが
脳みそをぶちまけようと、片時もカメラを離さない。

 ”傍観者”所々にでてくるこの言葉はこの現実を前に
してのジェイソンの姿。それが自分の使命でこの映像を
残すんだ、と言えば聞こえはいいがどこか自分には関係が
ない出来事。

 私たちがTVからの戦争の悲惨な映像をくつろぎタイムに
見ながら「かわいそうね」とか「戦争はよくないよね」とか
サラリと言ってしまう時、私たちはジェイソンと同じ”傍観者”
になっているかもしれない。

 どこか関係のない出来事。そして、かわいそうだとは
思いながらも何も行動しない”傍観者”。TVの向こうの
現実とお茶の間との温度差。

 映画では戦争など人対人の争いの映像がはさまれる。そして
セリフの中で「人対人から人対彼ら(ゾンビ)になった」
言う。

 どこまで人間は好戦的なんだろう。そして誰が人間が
この世で絶対的な存在だと言ったのだろう。

 ゾンビたちは本能で生きる人を襲っている。そこに感情
などないはず。動物が生きる為に弱い動物を狩り食べるのと
同じ。

 だけど人間は違う。人対人の争いは宗教の違いだったり
人種の違いから生まれる。そこには感情が存在する。

 そして人対彼らの争いでも感情からくる人間の残酷さが
浮き彫りになる。

 家族がゾンビになりかくまった老夫婦。その罰として
まず心臓を撃って殺す。ゾンビになり蘇った二人をまた
頭を撃って殺す。二度殺される二人。その残酷な行為を
正当化しているのも人間。

 ラストでもゾンビをまるでおもちゃのようにして遊ぶ
普通の(いや普通の神経でないと信じたいが…)人間たち。

 あの残酷さは戦争でも見られるのだろう。

 敵対する国の人たちに対する残虐非道ぶりはこの映画の
ラストで描かれる彼らのようであり、感情のある人間の
誰もが心のどこかに持ち合わせてるものなのだろう。

 「ゾンビ」映画はほとんど観ない初心者なので、今まで
想像していたグロいだけなんて認識は間違っていたと訂正
します。

 こんなに考えさせられる映画だとは驚きでした。

 「我々に救われる価値はあるのか?」
この一言が心に突き刺さりました。

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『今も昔も男子の頭の中こんなコトばかり!?』
B001WBXLQQ俺たちに明日はないッス デラックス版 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント 2009-05-22

by G-Tools

監督:タナダユキ

あらすじ…
 比留間の場合<気になる女子友野が担任とラブホから出て
        くるのを目撃。それをネタに友野にHを迫る
        が軽く受け流されてしまう…>

 峯の場合  <草むらに倒れているちづを見つけ、助けた事
        がきっかけで父子家庭で性の知識もない彼女
        とポルノ鑑賞へ行くが…>

 安藤の場合 <バイト先の酒屋で知り合った巨乳の同級生
        秋恵に告白され付き合い始める。太っている
        のに何故?それは…>


 男子高校生の性春ムービーだそうです。

 とにかく頭の中は”ヤリたい”事ばかりの仲間3人。峯くんは
イケメンの部類に入るけど他の二人はサエナイルックスとドスコイ
体型ときてる。

 でもね、男子ってバカだわ。否定的な言い方でなく、純粋すぎる
って意味でね。それに目標を決めたら一直線に進む事しかできない、
不器用さ。

 それに比べて、女子はしたたか。この歳から…というか、物心
ついた時から”したたか”な子はずっと”したたか”に違いない。

 同じ歳なのに女子の精神年齢は10歳以上は年上なんじゃ
ないかな。

 でも”ヤリたい”男子たちも現実の恋愛に突入してしまうと
妄想とは勝手が違って戸惑って、学習していく。

 頭は悶々としていても、身体はついていかない。

 なんでこんな大事な時に!!

 それは峯くんが「好きな子とするもんだ」と言ってた言葉に
集約されていると思う。

 純粋で不器用な彼らはHできればいいと思っていても、心の
どこかで”Hは好きな人と”って思いがあったに違いない。
だから、必死に自分で頑張っても結局比留間くんはヤれなかっ
たわけだし。

 恋愛物でもいつもは男性に感情移入してしまう私。今回は
彼らの成長を一歩下がって傍観している、まるで教師のような
目線で見ていた。

 冷ややかほど冷たくはなく、でも温かい気持ちでもない。
それが妙にリアルな映画。これがタナダ監督らしさなのだろうか。

 あの担任と恋愛してしまう友野の「同級生は子供だから」
って理由はよくわかる。高校生の頃の私が同じ様な考え
だったから。

 いや、でも、恋愛経験は皆無に等しい悲しき高校生活を
送った私です…(×_×;)

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 お久しぶりすぎて忘れてやしませんか。

 申し遅れました、サイモンでございます。

 「もう忘れてましたよ、とか言わないのぉ~~」(姫ちゃん現る)

 さて、某大型レンタル店でのお話です。最近は収入激減の為スカパー
解除するという苦渋の選択をしました。WOWOWさんはもう長いおつき
あいなので離れられません。

 そこでレンタルですよ。が、ケチな私は新作が準新作になり、キャン
ペーンで準新作と旧作半額or100円って時にウホウホと雄たけびを
あげながら(心の中でです)歩いて数分のツ○ヤに行くのです。

 前置き長いですか (-。-;)

 そこで先日半額キャンペーンがありまして、ウホウホと行った
わけなのです。目指すは準新作コーナー。

 おぉ~~観てないのばかりだ~~♪

 が、みんな同じ事を考えているわけで出遅れた私は中でもマニア
向けだろうと思うハネケ監督の「ファニーゲームU・S・A」
探したのです。

 そこで目にした驚愕の光景。

 大量入荷、多分10本以上はあったような、それが全てレンタル中。

 なんや、そりゃ~~!!

 みんなハネケ知ってるの?ハネケが好きなの?それともナオミが
見たいの?それともティム・ロス?


 しかし、残酷な私が目覚めてしまったのです。

 <(* ̄ー ̄)>ふふ…DVD雑誌見てちょっとしたサスペンスだと
思って軽い気持ちでレンタルしたヤローども。落ち込むがいいさ。
そしてトラウマになるがいいさ。


 ハネケを甘くみた罰だっ!!

 まぁレンタルできなかったわけなんですけどね。でも、WOWOWで
来月やるからいいの。WOWOWさんに感謝!!

 それにしても「ファニーゲーム」(オリジナル)を置いてない
のにUSAは大量入荷って近所のツ○ヤはどうなっとんのやっ!

 しょうがないから、ある闇組織から入手してオリジナルは観ましたよ。

 感想は…後味の悪さMAXでトラウマになりましたとさ(--;)


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 こんにちは、「ゾンビ」観た事ないのにこの映画がとっても
気になってしまったサイモンです。

 怖いものに追いかけられるのが苦手です。とは言いながら
ホラーは映画館では観れないけどWOWOWのホラー特集なんて
ワクワクしながら観ちゃってます。ホラー映画ブログも自分
が観られないから楽しんで想像しながら読んでます。 

 さて、今回気になった映画とは?
  zom

 全米NO.1獲得の「Zombieland」、主演はウディ・ハレ
ルソン
。共演がアビゲイル・ブレスリン嬢。

 もう主演からして日本での知名度低い。代表作は「オース
ティン・パワーズ:デラックス」です…って違いますね。これは
ただネタにされただけなので。日本では「マネートレイン」か?
個人的には「ナチュラル・ボーン・キラーズ」が大好きです。

 内容はゾンビだらけになった町(世界?)で生き残った人たち
がゾンビハンターらしきウディとともにゾンビ退治をしていく
話…だと思います。ゾンビのアトラクション・ムービーってとこ
でしょうか。

 まぁ予告編から笑い所がいっぱいあるのでご覧下さい。


 怖さよりも笑い重視ですね。ホラーコメディって「ショーン・オブ・
ザ・デッド」みたいなもの?これも笑えてグロくて意外に感動した
りして掘り出し物の映画でした。

 ゾンビって言えば思い出すのは「プラネット・テラー」(正確
にはゾンビじゃないけど)。

 アクション映画好きな相方に「片足がマシンガンになったセク
シーギャルがバッタバッタと敵を倒してく映画」
とおおまかすぎ
る説明をして観に行ったら帰り道少々険悪ムードに…。

 私よりもホラーやグロ大丈夫なクセにダメだったの? だって
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」は好きって言ってたじゃ
ないかっ!

 そんな相方はタランティーノの映画にも興味ナシ。これは
お一人様映画鑑賞決定だな。とりあえず「ワイルド・スピード」
でも一緒に行くとするか。


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『26世紀の人類はバカだらけ』
B002HQOH3626世紀青年 [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2009-10-02

by G-Tools

監督:マイク・ジャッジ

あらすじ
 アメリカ軍の極秘プロジェクトに選ばれたジョー(ルーク・ウィ
ルソン
)は何もかもが平均的な人間。1年間の冬眠実験のはずが、
目覚めてみれば500年後の世界。

 しかも誰もが明らかに自分より知能の劣る人ばかり。主食は
ジャンクフード、水道からは水でなくスポーツドリンク。

 この26世紀の世界ではジョーは天才レベルの知能の持ち主。
タイムマシンのありかを教えてもらうかわりに国防長官に就任
するジョー。

 彼はおバカだらけの世界を救えるのか。過去に戻れるのか。



 タイトルはもちろん「20世紀少年」から取りました。
(ですよね。ジャケ写見れば確信犯決定ですよ)

 それにあの国民的情報番組「王様のブランチ」でも紹介
されて私はビックリしてしまいました。まぁそれもパクり
作品ってことで、ですが。

 まず何故未来はおバカだらけの堕落した世界になってしまっ
たのか。その理由がオープニングで描かれます。

 が、”大家族”物のTV番組が好きな人はここで不快感を
あらわにしてリタイアでしょうね。日本人ってどうしてあんな
にも大家族好きなのか、私にはわからんです。

 IQの高い夫婦は子供は落ち着いたら作るからと何年も先延ば
し。仕事が落ち着いた時にはもう歳になっていて、子供はでき
ない。

 IQの低い夫婦は避妊もせずにポコポコ子供を生んでは増やす。
そのまた子供も若くして妊娠したりさせたりでどんどん子孫が
増えていく。

 で、500年後にはIQの低い人ばかりになりました。
って
いうのが未来のアメリカの姿。ブラックすぎて…笑えます。

 そこへ現代の普通の人代表のジョーが登場。弁護士や医者
など高学歴のはずがジョーよりはるかにアホばかり。

 アホは環境も汚染し、スポーツドリンクなら栄養補給になると
水のかわりに人の口に入るばかりか、畑にまいたからさあ大変。
食物は枯れてしまい、食料危機にも。

 「だって、水より栄養あるじゃん!」呆れる言い訳のアホ人類。

 それだから大統領もバカ。頼れるのはもう神の頭脳を持つ
男ジョーだけ。いや、現代なら普通なんですけどね。

 「アインシュタインの気持ちわかるよ~」とジョー。確かに
この状況はIQははるかに違えど他の人からすればまさにアイン
シュタイン的天才。

 こんな世の中にまさかタイムマシンがあるなんて…。いや、
あるって言ってるから。でも誰が作ったんだ?疑問がチラホラ。

 ジョーと一緒に冬眠されるのが売春婦。「仕事?芸術家…
って言うか…」と誤魔化すも一見してソレってわかるじゃん。
なのにジョーは即納得。人がいいのか、ズレてんのか。

 その売春婦に関わる人が「ソコで出るのか~~」って登場に
大爆笑ですよ!

 たまにはタイトルにつられるのもいいかもしれないと思わせて
くれた「26世紀青年」。ブラックな笑いが好きならタイトルに
ひるまず観る事をおすすめします。

 PS:一緒にブランチ見てた相方。「ルーク・ウィルソンって
誰?」に「チャーリーズ・エンジェルでキャメロンの彼氏やって
た人」と答える私。「あぁ~」ってホントにわかったのか?相方。
多分わかってないな。


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『私のおともだちは納屋にいるの、秘密だけど』
B001P2QRK4ベティの小さな秘密 [DVD]
CCRE 2009-04-03

by G-Tools

監督:ジャン=ピエール・アメリス

あらすじ
 ベティは10歳の女の子。お姉ちゃんは寄宿舎に入ってしまい
パパもママも夜中にケンカばかり。

 ある日パパの勤務する精神病院から患者が逃げ出した。ベティ
は納屋のそばで震えているイヴォンという青年を見つけ、その
まま納屋で隠してあげる事にする。

 ひとりぼっちの寂しさを感じていたベティは自分を頼って
くれるイヴォンに心を開き、彼を守りたい気持ちでいっぱいに
なる。

 でも、納屋を解放しなければいけなくなりイヴォンをそっと
送り出すベティだったが…


 女の子はいくつでも母性を持っているのです。

 身体は大人でも精神はベティよりも子供のイヴォン。彼に
食事や衣服を持ってきて、世話をするベティははるか年下
なのに母親のようです。

 10歳でも大人と同じ様に悩むベティ。信じていた友達に
バカにされたり、両親は離婚寸前だったり。自分の力では
どうにもならない現実ばかり。

 そこにピュアで小動物のように世間に怯えているイヴォン
という存在が出現。

 いつも両親や姉に守られて頼っていた自分が今度は守る
立場になる。大人になった気分にベティは喜びを感じる。

 子供のような存在から友達、そして好きな人へとベティ
の中で変わっていくイヴォン。許されない恋だけど、納屋
の中は楽しいひと時。

 現実がイヤになったベティが取った行動は…

 子供だって孤独を感じたり悩んだりしているのです。それは
純粋な気持ちゆえの事。

 ベティのかわいらしい初恋物語。観終わった後はホッと
温かくて懐かしい気持ちになりました。秋の夜には特に
おすすめです。

 PS:「ヘンリー&ジューン」や「パルプ・フィクション」の
マリア・ド・メディロスが母親役やっててビックリ。久しぶり
に見たなぁ。脚本のギョーム・ローランは「アメリ」も担当。
だからやさしい気分になれたのかも。


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『コーヒー好きなら是非知って欲しい真実』
B001GUO33Sおいしいコーヒーの真実 [DVD]
アップリンク 2008-12-05

by G-Tools

監督:マーク・フランシス ニック・フランシス


 まずはこんな事実から。某コーヒー一杯で農家に入るのは1~
3%、カフェや小売業者には90%入る
そうです。

 エチオピアの貧困にあえぐコーヒー農家と先進国での楽しみな
がらコーヒーを飲む人々の姿を交互に映しています。その対比は
あまりに残酷です。

 コーヒーは世界で石油に次ぐ取引規模を誇る国際商品。ただ
石油を発掘すれば大富豪になるのとは違いコーヒー豆は何度も
市場取引をされその都度中間マージンが発生する。したがって
大手メーカーは自分たちの利益の為に原材料を安くするように
画策。

 それによってエチオピアの農家はいくら高品質のコーヒーを
作れども生活は潤うことはなく、貧困が進んでいく。

 生産者の知らない所で繰り返される取引。それによって自分
たちの生活が悪くなるという真実。

 先進国では優雅にカフェでコーヒーを嗜んだり、大手チェーン
店のロゴ入りカップを片手に歩くビジネスマンたち。

 コーヒー鑑定士は言う「50粒の中の1粒でも悪い豆が
あればダメ」だと。その一方で日給が1ドルにも満たない
労働環境の中でコーヒー豆の仕分けをするエチオピアの女性
たち。

 その作れども作れども貧困から抜け出せないコーヒー農家
たちを救おうと農協はフェアトレードをしてくれる企業を
探して翻弄する。

 今までフェアトレードの言葉やお店は聞いた事があった
けれど正直そこまで価格が適正ではないとは知らなかった。

 食べ物だけでなく、生活用品全般に価格破壊が起きている
この頃。支払う私たちにとってはありがたいものだと思って
いたけれどもしこの映画のような不公平な取引の上での安価
だったりするなら考えてしまう。

 エチオピアの人たちは何も贅沢をしたいわけじゃなく、
望みは子供の為に学校を建てたい、まずはそれだけ。

 コーヒーの価格はアメリカとイギリスの先物取引で決め
られ、国際会議でもエチオピアなど途上国の意見は先進国に
押されて取り上げられる事は皆無。

 国際支援に頼らなければならない人たち。価格を左右して
いるアメリカから受ける支援物資。袋にデカデカとプリント
された”USA”の文字が皮肉に映りました。
 
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『塀の向こうにいるあなたに四季を
見せてあげたい…』

B001H1FXFIブレス [DVD]
エスピーオー 2008-12-03

by G-Tools

監督:キム・ギドク

あらすじ
 音楽家の夫とかわいい娘に囲まれて裕福に暮らす主婦ヨン
ミア)。しかし、夫の浮気を確信したヨンはある新聞を
目にし、突然思い立ったように刑務所に向かう。

 昔の恋人と偽ってヨンが面会したのは、何度も自殺未遂を
繰り返す死刑囚チャン・ジン(チャン・チェン)。不審がる
彼にヨンは自分が死に直面した話をする。

 それからヨンは塀の向こうで季節すら感じられないだろう
チャンに面会室で毎回四季を見せる事にする。部屋の壁一面
に貼られた春の花々や夏の海の写真、そして音楽。

 たびたび外出するヨンの後をつけた夫が見たものは…


 主演の死刑囚には「レッドクリフ」にも出演していたチャン・
チェン
。ギラギラした眼差しはエビゾウor渡辺謙(昔の)を
髣髴とさせます。

 相手役のミアはホント普通の主婦。特別美人でもなければ
かわいいって感じでもない。生活臭漂ってます。

 毎回ギドク監督の映画で思うのはセリフの少なさ。気持ちを
表現するのは目と表情。それだけでも心の動きがよくわかり
ます。

 さて、今回の「ブレス」は簡単に言うならば死刑囚と主婦の
心の交流
を描いています。…っても、キレイ事では済まされない
独特のギドクワールド。

 愛は、一歩間違うと人を狂わせて
しまうのです

 
 余計な説明がないので私の勝手な解釈が間違っているかも
しれませんがそこは大目に見て下さい。

 主婦ヨンは夫の浮気を知り自分の存在価値を見失ってしまう。
なぜここにいるのか?なぜ生きているのか?生きているならば
誰の為に生きているのか?

 死刑囚チャンは死を約束されているのにその前に自分で死のう
とする。罪の意識からか、自分の人生は自分で決着をつけたい
からか。

 偶然知ったチャンの存在にヨンは彼の為に何かしてあげたい
と感じる。死にたい彼の気持ちは死にそうになって”生きたい”
と感じたヨンにしか理解できないし、彼に生きる希望を与えて
あげられる気がしたから。

 死刑囚に生きる希望を与えるのは残酷な気もします。せっかく
自殺して死を受け入れようとしているのに、生に執着すれば
死にたくないし、死の恐怖も受け入れなければいけないです
からね。

 普段は殺風景な面会室がヨンの演出で春の花畑にかわる。
歌い踊るヨンに初めて見せるチャンの暖かな微笑み。そして
二人の距離は一気に縮まっていく。

 その二人を監視カメラの向こうで見ている監視官。唇が
触れ合う手前にブザーを鳴らし二人を引き離す。そして、
自分の思い通りに二人のひとときをブザーで操作する。
(この役がギドク自身。嫌な演出家みたいです。ギドクは
シャマランに憧れているのか?)


 狂おしいほどのキスに二人の激しい息遣い。お互いを求め
合うシーンはSEXシーン以上に(そういうシーンはある
けど)官能的です。

 ヨンもチャンも相手を想う気持ちで性と生を見出した
のではないでしょうか。

 二人は永遠に結ばれない運命。明日チャンは死刑になる。
そんな状況での面会でヨンの取った行動は狂っているようで
いて愛しすぎたゆえの事。
(この時のヨンの顔…ホラー並みの怖さです)

 なのに次のシーンでのヨンの幸福そうな家族団らん風景。
正しい選択かもしれないけど、変わり身の早さがやっぱり
怖い。

 中で私が一番感情移入できたのはチャンと同じ房にいる
チャンを愛しているだろう若い囚人。寄り添うようにチャン
のそばで寝るシーンや面会に行くチャンを目で追う所なんて
心がキュンとしました。まぁ、男性同士ですけどね。

 その若い囚人が最後にチャンに取った行動が一番理解でき
ました。ずっと想っていた相手が望んでいた事を自分の手で
してあげたわけですからね。

 それが理解できたのも私の恋愛映画ベスト1が「ベティ
ブルー」
だからかもしれません。

 まぁ、スッキリ感は相変わらずないギドク印の映画でしたが
私は好きです。次の作品の主演はオダギリジョー、これも期待
しています。

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『許さない、あの日のあなたを…』
B001EGJXY8譜めくりの女 デラックス版 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント 2008-10-24

by G-Tools

監督:ドゥニ・デルクール

あらすじ
 ピアニストになる事を夢見る物静かな少女メラニー。自信を
持って挑んだ音楽学院の入学試験で審査員の女の失礼な行動に
ミスを連発、ピアニストの夢も諦めてしまう。

 それから十数年後、メラニーは弁護士事務所で働き始める。
実はそこはあの審査員の女でピアニストのアリアーヌの夫ジャン
の事務所。

 メラニーはジャンの息子の世話人としてしばらく自宅に
住み込む事になり、アリアーヌと再会する。家族たちの信頼
を得た彼女はアリアーヌの譜めくり役を頼まれる。

 しかし、メラニーの中でアリアーヌへの憎悪はまだ消えて
いなかった…


 喜怒哀楽をあまり表に出さないメラニー。それは試験に
失敗し一粒の涙を流しながらも悲しげでなく無表情。でも
心の中は怒り心頭そんな彼女のとった行動にドッキリ。

 同じく受験者でピアノ練習中の少女に対して、いきなり
ピアノのふたをバタンと閉めてしまったのですよ。
(手を挟まれたらホラーだよ~~おとなしそうな子に
限ってキレると怖い典型です)


 ただね、観終わった後の率直な感想は
「夢を絶たれた怨みはわかるけど、弁護士になれるほど
頭いいならそっちの道で生きていった方がいいんじゃない?
それにピアノがそんなに好きならば有名学校に入学できなく
たって弾き続ける事はできたじゃない。
わからん、あんたの思考がわからん( ̄_ ̄ )
 

 そりゃね、試験の最中アリアーヌがファンにサインしてた
行動は演奏者の身には失礼な態度かもしれないけど、テスト中
だから集中するのが当たり前じゃない。

 それは集中できなかった自分を責めるべきだと思うし、
わたし余裕あるわよってチラ見した自分の才能を過信
しすぎた結果だと思うのですよ。

 まぁ何と言われようとその日からメラニーの心はアリ
アーヌへの憎悪と復讐でいっぱいになってしまうのですが。
(あぁ怖い。復讐は静かに実行されようとするのです{{{゚◇゚;}}}ガクガク)

 演奏に自信のなくなったアリアーヌの信頼を得たのは
メラニーの譜めくりの才能。

 譜めくりって楽譜が読めるだけじゃダメなんですね。
演奏者と呼吸を合わせて、”そこ”ってジャストなタイ
ミングで譜面をめくる。二人で演奏しているような快感。

 メラニーのクールビューティな容姿や思わせぶりな
態度にアリアーヌは信頼だけでなく心も奪われてしまう。
(女同士なのにね…さすが恋愛の国おフランス)

 メラニーの復讐はアリアーヌの自己崩壊や家族崩壊を
招いてしまう。かわいそうなのは何も悪くない、ただ
アリアーヌの子供だったからが理由の息子。きっと、
遊び相手だけでなく恋心も抱いていただろうに。

 時折見せる冷酷な微笑みのメラニー。青白い憎悪の
炎がバックに見えるようなヒンヤリする怖さ。

 最後までメラニーに共感できなかった私ですが、
音楽や芸術に関わっている人ならわかるのかもしれ
ません。

 この映画の監督はヴィオラ奏者で国立音楽院の教授
という経歴を持っています。そんな音楽家だからこそ
夢を自分の意思ではなく、他人のせいで絶たれてしま
ったと思い込む少女の憎悪が大人になって復讐という
行動に出てしまう私には理不尽な結果も理解できるの
かもしれませんね。

 いや、私も子供の頃嫌な事をされた記憶は忘れちゃ
いないですよ、ここまでの復讐心は無いけど。

 だから、このメラニーはひどい”いじめ”に合った人の
心と同じなのかも。”いじめた”方は忘れていても”いじめ
られた”方は大人になってもずっと心の中に残っているの
かもしれないから。

 静かに展開していく復讐劇。バックで流れる美しい
音楽がサスペンス性を盛り上げてくれます。共感できるか
できないかは、観てご確認を。


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B00005UD6Nローサのぬくもり [DVD]
ベニト・サンブラノ
キングレコード 2002-02-06

by G-Tools

監督:ベニト・サンブラノ

あらすじ
 35歳のマリアは都会で一人暮らし。が、孤独に耐えきれず
アル中気味。

 父親の入院で故郷から母のローサも上京してくる。そして、しば
らくの間マリアの部屋で同居する事になる。

 同じアパートに住む頑固者の老人はローサと交流するようになり、
変わり始める。ローサの母性に溢れた穏やかなやさしさは老人だけ
でなく、娘マリアにも変化をもたらすのであった。


 深夜チャンネルをかえていたら偶然目に留まった映画。淡々と
しているから途中で寝てしまうと思いきや、ローサと老人の関係
が気になって最後まで見てしまいました。

 最初少し見逃してしまったので途中まで老人が主役の映画
なのかと思ってしまいました。

 って訳で私が思うこの映画のテーマは「老いの恋」

 人付き合いの苦手なおじいちゃんがスープを焦がしてしま
い、そのスープをローサが作り直してくれたことがきっかけで
彼女に好意を持ちます。

 頑固な性格な上人付き合いも苦手なおじいちゃん、万を
決してローサに「いい魚が手に入ったからよければ料理して
くれないか」と頼むがローサは「病院に行くから遅くなる
かもしれない」と答える。

 その日おじいちゃんは部屋の窓際にイスを置き、そこから
見えるバス停をながめ続けます。まるでローサの帰りを待ち
続けるかのように。

 バスが止まる度に今度こそローサが乗っているんじゃないかと
ワクワクして、いないのを見てガッカリする。

 そんなセリフもない、おじいちゃんの表情だけの場面なのに
ローサに対するキュンとした初恋のような恋心を感じました。

 ローサが同居するマリアの部屋はおじいちゃんの部屋の上の階。
おじいちゃんの愛犬は階段を上ってくるローサに気付き、毎回
廊下でローサを待っている。

 おじいちゃん同様、愛犬もローサを気に入っているのがよく
わかる。ふたり(ひとりと一匹)とも初恋の相手を出迎えて
いるようでその行動がとてもかわいらしい。

 ローサが夫の退院で自宅に帰ることになりお別れの挨拶に
来ると、おじいちゃんはビシッとスーツを着て待っていました。

 おじいちゃんにしてみれば精一杯のおしゃれで見送りたいと
いう気持ちだったのでしょう。

 「電話をかけたい」「うちは電話がない」「手紙は?」
「それはしないで」そんな二人のやりとりがあったものの
最後にローサは何かあったら娘を頼ってと去って行きます。

 ローサに料理してもらうつもりだった魚を娘のマリアの
部屋に届けに行ったのをきっかけにふたりは夕飯を一緒に
食べることになります。

 お酒も入ったせいなのか母にも言えなかった妊娠のことを
おじいちゃんに話してしまうマリア。

 生みたい気持ちはあるものの相手の男は父親と同じDV
男。それに堕胎を強制するようなことを彼から言われていた。

 それを聞いたおじいちゃんの発言にはぶっとびましたよ!!

「わたしがその子を養子にするから生んで
くれないか」


 実はおじいちゃん、息子がいたけれど若い時に亡くなって
しまいました。だからいつか孫を抱きたいという夢も叶わず
じまい。

 おじいちゃんはマリアにこう提案します。

「老い先短いわたしの為に孫を抱かせてほしい、そのかわり
生活費や自分が死んだ後は全財産をマリアに譲る」と。

 その後の朝日を浴びて感謝するおじいちゃんが印象深いです。
「神様、また一日生きることができました。
ありがとう」


 残された人生を一日一日大事に生きているからこその言葉。
皮肉な運命も後に待ち受けているけれど。

 ラストシーンはおじいちゃんとマリア、そして産まれた
子供のローサ(母親の名前をつけた)がお墓参りをしています。

 そこにいる母ローサによって絆を結ばれたおじいちゃんたちは
とても穏やかで幸せそうで温かな気持ちになります。

 物語は衝撃的な展開もなければ事件もない、ましてや有名な
俳優さんも出ていない。そんな一見地味な作品であるけれども
胸の奥にジワ~とくる感動がある掘り出し物の映画でした。

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