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『美しき令嬢姉妹の運命。それを見守るのは何百年も
同じ姿のままで生き続ける美少女おろち』

B001LGCD2Uおろち [DVD]
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 2009-03-21

by G-Tools

監督:鶴田法男(「リング0 バースディ」)
原作:楳図かずお

あらすじ
 100年に一度深い眠りにつくことで永遠に生き続ける少女おろち
谷村美月)。

 嵐の夜雨宿りに大豪邸門前家にたどり着いたのがきっかけで家政婦
としてしばらく門前家に滞在する。そこには大女優の門前葵(木村佳乃
、娘の一草と理沙の幼い姉妹が暮らしていた。

 そして、ある悲劇。予想外の眠りについたおろちはそれから20年
ほどたった頃目覚める。”佳子”の身体に意識はおろち。貧乏な佳子
を見受けしたのはあの門前理沙(中越典子)であった。

 再び門前家に関わるおろち。母親の葵そっくりの一草(木村佳乃)は
女優として活躍。妹理沙は彼女の付き人となっていた。しかし、姉妹は
何かに怯えながら暮らしている。それは…



原作はあの楳図かずおさん。小中学生の頃美人の友達が楳図さんの
漫画を集めていてよく貸してもらった。特に「恐怖」って漫画が
タイトル通り怖くて、たまに夜思い出してゾッとしていたっけ。
(この頃からホラー好き=美人の図式が私の中で確立したのである)

この「おろち」は未読でした。「へび女」の話かと思っていたら
全然違ったんですね。

「おろち」は美しき姉妹の悲劇の話。それを防ぐでもなくただ
傍観する少女がおろち。どうにか止めようともするけれど運命は
やはり変えられない。

実は門前家の女はみんなある宿命を背負っている。それは”29歳
から徐々に顔が崩れ始める。そしてゆくゆくは全身が醜くなって
しまう”
という宿命。

その29歳はもう目の前に迫っている一草と理沙姉妹。特に姉の
一草は先に崩れ始めるだろう。女優の仕事も投げやりになって
精神状態は追い込まれ、映写室で母親の映画ばかりを見る日々。

その姉にやさしく寄り添う理沙。しかし、影では一草の恋人である
プロデューサーといい関係にもなって一草の嫉妬心に火をつける。

しかし、門前家の女という共通点だけが二人をつなぎとめていた。

人目に触れないように隠していた母親葵が死んでしまった。死ぬ間際
ある秘密を理沙に打ち明けていた。それが更なる悲劇を生む。

ヒステリー状態の一草は理沙に暴力や暴言を吐き始めた。それをただ
耐える理沙。殴られようと顔にアザが出来ようと甘んじてそれを
受け入れる理沙。

坂道を下るように運命が急激に変化する。

「花よ蝶よ」と育てられた二人だからこそ醜くなる恐怖は並みの人
以上なのだろう。美しさをもてはやされて今まで生きてきた二人に
あまりに残酷な運命。

確かにまともな精神状態ではいられない。特に一草は先に29歳に
なるのだから。

耐える妹理沙はある秘密を抱えていたからこそ姉の暴力にも耐えられた。
だって姉妹は本当は同じ運命ではなかったのだから。

狂ってしまった姉一草に寄り添う妹理沙の姿を最後に屋敷を去るおろち。

その後の結末が怖すぎる。女特有の情念ともいうべき恐ろしい仕打ち。
歪みきった姉妹の心、それによる行動。恐ろしい。

映像で見せる怖さとは違い、行動や心情の恐ろしさはジワジワと
こちらを締め付けてくる。そしてあのオチ。


この映画のポスターなどを蜷川実花さんが手がけています。美しい
姉妹そして美少女おろちの姿を華やかな色彩で写しています。
これ、必見です。是非映画のサイトでご覧下さい。

 ☆「おろち」の公式サイト☆

個人的には柴田淳さんが好きなのでエンディングに彼女の歌声が
流れてきたのはうれしかったです。

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無題
凄く美しいですよね。演技も素晴らしいし展開も良かったのだけど、「おろち」の存在がいなくても良いんじゃん?ってぐらい薄かったです…。これは谷村美月さんが2人の存在感に負けてるからかなぁ?まだ若いですしね。悪くなく、むしろ良いんだけど2人が強過ぎだし(^^;)
miyo URL 2010/05/27(Thu)17:32:05 編集
miyoさん
木村さんと中越さんのバトルは凄かったですね。あの心理状態の変化もさすがという
感じです。
おろちは姉妹の話になるとたしかに影が薄かったかも。
虐待する姉の方が心が弱くて、される妹が実は強いなんて
肉体的SとMの関係が精神的な立場だと逆転してしまう
所もなかなかよかったです。
サイモン 2010/05/28(Fri)10:30:25 編集
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