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監督・脚本・撮影 フーベルト・ザウパー

解説
 人類の起源とも言われるアフリカの
ヴィクトリア湖は今や外来種である
肉食魚ナイルパーチによって従来生息
していた魚が食べられ、生態系が崩れて
しまっていた。
 が、それによってナイルパーチの
加工工場ができ町の人は貧困から逃れ
られるかのように思えたが…

『貧困、病気、死の連鎖は終わらない』
感想
 ヴィクトリア湖に放流された肉食魚の問題は日本でも
同じく肉食魚ブラックバスによって生態系が壊れている
とニュースでも聞いたことがあります。
 たかが数匹と放した人は思うだろうけど、この魚の
繁殖力はすごく湖中がこの種のみになってしまうのは
時間の問題。

 自然の破壊とは逆に加工工場によって人間は栄える、
皮肉なもんです。ただ恩恵にあやかっているのは貧困に
あえぐアフリカの人ではなく、ヨーロッパからやって
きた工場経営者、それに輸送機パイロットたち。

 しかも自分たちの住む土地で獲れた魚なのに高くて
買えない。加工された白身魚はヨーロッパや日本の
食卓に並ぶ…自分たちは加工後の廃棄処分となる残骸
を食べるしかない。

 政府や国連の人たちが見ているのは加工工場によって
表面上は経済が活発になっている所だけ。

 この国の多数におよぶ貧困層は経済格差によってますます
生活が苦しくなる、それによって不幸の連鎖が。

 親が病気になる-病院にも行けず死ぬ-母親が仕事を
する(売春)-エイズになる-エイズの子供が生まれる-
捨てられた子供はストリートチルドレンになる…

 このストリートチルドレンたちは日常的にある暴力
から一瞬でも忘れる為に麻薬の作用もある魚の梱包剤
を燃やした煙を吸う。

 最初はアフリカの終わらない貧困問題を扱っているが、
途中から武器密輸問題にも広がってくる。
 それは加工魚を運ぶ輸送機に武器を積んでいるかも
しれないというウワサから。

 ムワンザ空港は輸送品のチェックが甘い事から他の
アフリカの紛争地域への武器密輸の中間地点になって
いるそう。

 そしてここからヨーロッパへは魚や果物を運ぶ事から
印象的な言葉が映画のラストで語られます。

「アンゴラの子供たちはクリスマスに銃を
もらい、ヨーロッパの子供たちは
ぶどうをもらう」


 自然破壊から貧困、そして戦争と問題を提起する
けれど何ひとつ解決には向かっていません。
 そこがこの日本から遠い国の現実をより深く心に
刻むことになったのかもしれません。

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