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『私のおともだちは納屋にいるの、秘密だけど』
B001P2QRK4ベティの小さな秘密 [DVD]
CCRE 2009-04-03

by G-Tools

監督:ジャン=ピエール・アメリス

あらすじ
 ベティは10歳の女の子。お姉ちゃんは寄宿舎に入ってしまい
パパもママも夜中にケンカばかり。

 ある日パパの勤務する精神病院から患者が逃げ出した。ベティ
は納屋のそばで震えているイヴォンという青年を見つけ、その
まま納屋で隠してあげる事にする。

 ひとりぼっちの寂しさを感じていたベティは自分を頼って
くれるイヴォンに心を開き、彼を守りたい気持ちでいっぱいに
なる。

 でも、納屋を解放しなければいけなくなりイヴォンをそっと
送り出すベティだったが…


 女の子はいくつでも母性を持っているのです。

 身体は大人でも精神はベティよりも子供のイヴォン。彼に
食事や衣服を持ってきて、世話をするベティははるか年下
なのに母親のようです。

 10歳でも大人と同じ様に悩むベティ。信じていた友達に
バカにされたり、両親は離婚寸前だったり。自分の力では
どうにもならない現実ばかり。

 そこにピュアで小動物のように世間に怯えているイヴォン
という存在が出現。

 いつも両親や姉に守られて頼っていた自分が今度は守る
立場になる。大人になった気分にベティは喜びを感じる。

 子供のような存在から友達、そして好きな人へとベティ
の中で変わっていくイヴォン。許されない恋だけど、納屋
の中は楽しいひと時。

 現実がイヤになったベティが取った行動は…

 子供だって孤独を感じたり悩んだりしているのです。それは
純粋な気持ちゆえの事。

 ベティのかわいらしい初恋物語。観終わった後はホッと
温かくて懐かしい気持ちになりました。秋の夜には特に
おすすめです。

 PS:「ヘンリー&ジューン」や「パルプ・フィクション」の
マリア・ド・メディロスが母親役やっててビックリ。久しぶり
に見たなぁ。脚本のギョーム・ローランは「アメリ」も担当。
だからやさしい気分になれたのかも。


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B00005UD6Nローサのぬくもり [DVD]
ベニト・サンブラノ
キングレコード 2002-02-06

by G-Tools

監督:ベニト・サンブラノ

あらすじ
 35歳のマリアは都会で一人暮らし。が、孤独に耐えきれず
アル中気味。

 父親の入院で故郷から母のローサも上京してくる。そして、しば
らくの間マリアの部屋で同居する事になる。

 同じアパートに住む頑固者の老人はローサと交流するようになり、
変わり始める。ローサの母性に溢れた穏やかなやさしさは老人だけ
でなく、娘マリアにも変化をもたらすのであった。


 深夜チャンネルをかえていたら偶然目に留まった映画。淡々と
しているから途中で寝てしまうと思いきや、ローサと老人の関係
が気になって最後まで見てしまいました。

 最初少し見逃してしまったので途中まで老人が主役の映画
なのかと思ってしまいました。

 って訳で私が思うこの映画のテーマは「老いの恋」

 人付き合いの苦手なおじいちゃんがスープを焦がしてしま
い、そのスープをローサが作り直してくれたことがきっかけで
彼女に好意を持ちます。

 頑固な性格な上人付き合いも苦手なおじいちゃん、万を
決してローサに「いい魚が手に入ったからよければ料理して
くれないか」と頼むがローサは「病院に行くから遅くなる
かもしれない」と答える。

 その日おじいちゃんは部屋の窓際にイスを置き、そこから
見えるバス停をながめ続けます。まるでローサの帰りを待ち
続けるかのように。

 バスが止まる度に今度こそローサが乗っているんじゃないかと
ワクワクして、いないのを見てガッカリする。

 そんなセリフもない、おじいちゃんの表情だけの場面なのに
ローサに対するキュンとした初恋のような恋心を感じました。

 ローサが同居するマリアの部屋はおじいちゃんの部屋の上の階。
おじいちゃんの愛犬は階段を上ってくるローサに気付き、毎回
廊下でローサを待っている。

 おじいちゃん同様、愛犬もローサを気に入っているのがよく
わかる。ふたり(ひとりと一匹)とも初恋の相手を出迎えて
いるようでその行動がとてもかわいらしい。

 ローサが夫の退院で自宅に帰ることになりお別れの挨拶に
来ると、おじいちゃんはビシッとスーツを着て待っていました。

 おじいちゃんにしてみれば精一杯のおしゃれで見送りたいと
いう気持ちだったのでしょう。

 「電話をかけたい」「うちは電話がない」「手紙は?」
「それはしないで」そんな二人のやりとりがあったものの
最後にローサは何かあったら娘を頼ってと去って行きます。

 ローサに料理してもらうつもりだった魚を娘のマリアの
部屋に届けに行ったのをきっかけにふたりは夕飯を一緒に
食べることになります。

 お酒も入ったせいなのか母にも言えなかった妊娠のことを
おじいちゃんに話してしまうマリア。

 生みたい気持ちはあるものの相手の男は父親と同じDV
男。それに堕胎を強制するようなことを彼から言われていた。

 それを聞いたおじいちゃんの発言にはぶっとびましたよ!!

「わたしがその子を養子にするから生んで
くれないか」


 実はおじいちゃん、息子がいたけれど若い時に亡くなって
しまいました。だからいつか孫を抱きたいという夢も叶わず
じまい。

 おじいちゃんはマリアにこう提案します。

「老い先短いわたしの為に孫を抱かせてほしい、そのかわり
生活費や自分が死んだ後は全財産をマリアに譲る」と。

 その後の朝日を浴びて感謝するおじいちゃんが印象深いです。
「神様、また一日生きることができました。
ありがとう」


 残された人生を一日一日大事に生きているからこその言葉。
皮肉な運命も後に待ち受けているけれど。

 ラストシーンはおじいちゃんとマリア、そして産まれた
子供のローサ(母親の名前をつけた)がお墓参りをしています。

 そこにいる母ローサによって絆を結ばれたおじいちゃんたちは
とても穏やかで幸せそうで温かな気持ちになります。

 物語は衝撃的な展開もなければ事件もない、ましてや有名な
俳優さんも出ていない。そんな一見地味な作品であるけれども
胸の奥にジワ~とくる感動がある掘り出し物の映画でした。

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『病気の孫の為、祖母は内緒の仕事を始める。それは…』
 
B001AX11NQやわらかい手 スペシャル・エディション [DVD]
マリアンヌ・フェイスフル, ミキ・マノイロヴィッチ, ケヴィン・ビショップ, シボーン・ヒューレット, サム・ガルバルスキ
ビデオメーカー 2008-09-03

by G-Tools

あらすじ
 病弱な孫に手術を受けさせるには多額のお金が必要。子供につきっ
きりの息子夫婦に代わりマギーは仕事を探し始めるがなかなか見つから
ない。

 ある店の張り紙の高額収入に惹かれたマギーはどんな店なのかも
わからずに飛び込む。が、そこは風俗店で仕事は手で男性客を
イカせるものだった。

 亡き夫一筋だったマギーは最初躊躇するが可愛い孫の為仕事を
こなし始める。運良くマギーの手が評判になり店は行列ができる
ほどになっていく。

 しかし、秘密にしていた仕事を息子に知られたあげく罵られ
せっかく稼いだお金も受け取らないと言われてしまう…


 ったく、息子が仕事見つけろよそりゃ子供のそばにずっとついて
いたいのはわかるけどさ。

 元々専業主婦で手に職を持たないマギーに高額な仕事が見つかる
はずがないと思っていたら、まさか”手”に天性の才能があるとは
驚き
 それはテクニックもさる事ながら手のやわらかい感触やマギーの
客に対するやさしさゆえの気持ちよさだったのでしょうか。

 壁に一箇所空いた穴に男性客がアレを入れてくる。それを壁の
向こうのマギーがローションをつけた手で仕事をしてくれます。
(今の日本にはないけど、昔は同じようなのがあったらしい)

 マギーは若くして結婚し、長い間子供に恵まれずにやっとできた
のが一人息子。夫はもう亡くなってしまい、彼女の愛情は愛する
息子の子供である孫に注がれていた。

 だから、どんな仕事でも孫の為なら頑張れた。手遅れにならない
うちに早く孫に手術を受けさせてあげたかった。


 マギーの仕事を知った息子は彼女を罵倒するけど、嫁は同じ母親
の立場からそこまでして子供の為にしてくれた彼女の気持ちが痛い
ほどよくわかる。
(息子の立場になると誰でも罵倒してしまうのだろうか)

 息子以上に腹が立つのはマギーの親友ぶった裕福なご婦人たち。
お金に困っているってわかっているはずなのに助け舟も出さないし、
風俗の仕事をやっているとわかると興味本位で根掘り葉掘り芸能
レポーター並みに聞いてくる。
(優雅なティータイムの余興みたいなもんか?ったくムカつく

 それまでやましさを感じていたマギーがご婦人たちに「手でイカ
せる仕事なのよ」と堂々と答える所なんて天晴れでしたよ

 そのマギーと風俗店オーナーとの微妙な恋もステキ。最初
オーナーはマフィア関係の怖いおっさんかと思っていたら…

 売れっ子マギーが他店からスカウトされたことをオーナーに
告げるとあっさりと「辞めてもいい」と言われてしまう。そんな
彼に「私がいなくなってもいいの?」と問うマギーにチラリと
恋する女心が見えます。

 途中からは孫の事ウンヌンよりもマギーとオーナーがどうなって
しまうのかが気になってしょうがなかった。

 見る前はおばちゃんが売れっ子風俗嬢になるってどんな話なんだ
ろうと思っていたけど、初老カップルの不器用な恋愛物語でも
ある見終わった後温かい気持ちになれる映画でした

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  <若かりし頃のマリアンヌ観てみたいぞ>
      

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『昼顔から38年、セヴリーヌとユッソンは…』
 
B001COUJOU夜顔
ミシェル・ピコリ ビュル・オジエ リカルド・トレパ
ジーダス 2008-09-26

by G-Tools

監督:マノエル・デ・オリヴィエラ

あらすじ
 初老の紳士アンリ・ユッソン(ミシェル・ピッコリ)はコンサート
会場で長らく会っていなかった親友の妻セヴリーヌ(ビュル・オジエ
を偶然見かける。

 彼女を追ったものの見失ったユッソンだったが、バーから出てくる
セヴリーヌを発見しバーテンダーに彼女の宿泊しているホテルを聞き
出し、会いに行くが逃げられてしまう。

 やっと彼女と対面する事に成功したユッソンは長年の彼女に対する
疑惑を解くべく、二人きりの夕食に招待する。

 かつてセヴリーヌが夫を裏切り昼間は娼婦として働いていた事実を
知る唯一の人物ユッソン。あの頃の彼女の本当の心を暴こうとするが…



 これはルイス・ブニュエル監督の「昼顔」の後日談という設定です。
「昼顔」を見ていなかったり、覚えていなかったりするとよくわからない
作りになっています。

 「昼顔」で同じ役柄を演じていたミシェル・ピッコリが「夜顔」でも
続投、残念ながらセヴリーヌはカトリーヌ・ドヌーヴではなくビュル・
オジエに代わっていました。

 ★「昼顔」の感想は→こちら

 前作ではギラギラした雰囲気で嫌味な男だったユッソンも年を取り
気のいい老紳士像になりました。それに孤独な生活な為なのかアル中
だったりもします。

 そんなユッソンの心を38年もの間占めていたのはセヴリーヌ。
そうでなければ一目で彼女と判り、再会するまでホテルを何度も
訪ねたりはしないでしょう。彼は過去に執着し続けている。

 ユッソンに言わせれば彼女はマゾであり、夫の愛を裏切るという
サディズムも併せ持っていた背徳に溺れた女性だった。親友を裏切って
いる彼女への憎悪と共に性的な興味の対象でもあったのでしょう。

 夫も亡くなり未亡人のセヴリーヌはユッソンとは対照的にセレブな
装いの上品な老婦人。あの頃の自分はもういない、とすでに過去とは
決別している。

 二人だけの夕食のシーンでは会話もなく、ナイフやフォークが皿に
当たる音だけが響く。軽いディナーなので3品ほど食事が運ばれて、
それを食べる二人の行為を延々と見せ付けられる。
(実はここで睡魔が襲ってきたのでした

 もちろんセリフがないので二人の視線が合うと妙に緊張感が増しました。
それにいつユッソンは疑問をセヴリーヌにぶつけるのかと思うと答え
を知りたいこっちは今か今かと待ち遠しくなりました。

 が、結局は…
(これは見た人がどう感じるのか判断して欲しいですね)

 あくまで「昼顔」の後日談であり、「昼顔」の日々をユッソン側が
どう感じていたのかがわかる作品です。フランス映画を見慣れている
人ならば70分なのに睡魔に襲われた私のようにはならないと思うし、
ラストの余韻もいい感じに取ることができるでしょうね。

 でもホテルのフロントマン、いいのか部屋番号を簡単に教えちゃって!

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『恋愛映画だと思って見ると、後悔するかも…』

B001671JTCファウンテン 永遠につづく愛
ヒュー・ジャックマン, レイチェル・ワイズ, エレン・バースティン, ダーレン・アロノフスキー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2008-06-06

by G-Tools

監督:ダーレン・アロノフスキー

あらすじ
 病気の妻イジー(レイチェル・ワイズ)を救う為、研究に没頭する
医師トミー(ヒュー・ジャックマン)。が、イジーは実験の成功よりも
残された時間、トミーがそばにいてくれる事を望んでいた。

 ある植物に治療のヒントがあると目をつけたトミーはますます研究に
没頭し、イジーの望みなどわかるはずもなかった。

 イジーはトミーに自作の物語を書いた本を渡す。それはスペインの
女王が望む永遠の命を授けてくれる木を探す騎士の話。書かれていない
最終章を書いてほしいとトミーに託すイジー。

 イジーは自分の命が残り少ない事を感じていたのだ。猿での実験
結果が成功に近づいた時、イジーに異変が起こる…


 まずはアロノフスキー監督、ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞
しましたナイス・タイミング!!
 
 さて、この映画、サブタイトルとDVDパッケージのあらすじから
夫婦愛を描いた感動的な恋愛映画だと思っていました。だってコピーが
「何度生まれ変わっても僕は君を失う運命なのか」ですよ。

 ここ最近秋の気配を感じたせいか”秋は恋愛やね”などと勝手に
思い「ファウンテン」と前回の「見えない雲」をレンタルしてきた
わけです。
(偶然にもふたつのジャケ写似てるんだよなぁ)

 そんな意気込みだったからか…よく理解できませんでしたもし、
これがデヴィッド・リンチの映画なら彼の意図はわからないでも
不条理ドラマにどっぷり浸かって、この世界観が好きやねん、って
堂々と言えるはずなのに。

 なのでこれから観ようとする人に言っておきます。これは恋愛映画
でもあり、神話的エピソードもあり、宗教的でもあり、そしてSFの
ような一つのジャンルには絞れない、一言で表すならば
スピリチュアルな映画です。
(あ~~スピリチュアルって言葉に逃げてる気がする~~

 恋愛部分ではトミーとイジー夫婦の愛するがゆえの気持ちのすれ
違いが描かれています。研究が成功するかどうかわからないのにイジー
の為に研究第一のトミー。すでに覚悟を決めているイジーは成功よりも
死ぬ瞬間までずっとトミーにそばにいて欲しい。

 死期の近いイジーよりも生に執着するトミー。それがイジーの書いた
物語の登場人物とリンクしていく。

 生まれ変わるたびにトミーはイジーを失ってきた。それはスペイン
での女王と騎士から始まる。現代のトミーとイジーを遠くから見つめて
いるのは球体の宇宙船のようなものに乗った未来のトミー。

 過去から現代、そして未来の3つの世界で繰り広げられるドラマ。
まるでブッダが悟りを開いたかのような未来のトミーが光に包まれ
過去や現代に生の執着でなく死を受け入れさせようとする。
(いきなり修行僧のようなトミーのカンフーにはこれからどうなっちゃう?と
不安になりました。曼荼羅みたいなのも出てきたしね…)


 本編だけではわからない部分を補ってくれそうなメイキングを見て、
この映画が何となく理解できたような気がしました。

 やはり夫婦愛とヒュー・ジャックマン目当てのミーハーな気持ちで
観たのがいけませんでした。でも本当にスキンヘッドにしてたんですね。
この映画の後に撮影したのは…「ヴァン・ヘルシング」あたりでしょうか。
(って事は「ヴァン・ヘルシング」はズラだったのかっ。が、いつも以上に
今回の無精ひげ姿はかっこえ~~!!…ミーハーですいません)


 そして実はこの映画一度撮影中止になったそうです。監督の意向から
なるべくCGは使いたくなかったようで、宇宙船のシーンの背景は
いろいろな工夫してました。

 残された日々、あなたがそばにいてくれるだけでいい…

 死を受け入れ穏やかな日々を過ごしたい妻の望みはそれだけだったのに
生に執着する夫は妻の延命の為にそばにいる時間を削ってしまう。
 夫が医者だったからなおさら自分の全てを賭けて妻を救おうとする
気持ちはよくわかります。もし、普通の人ならば妻と一緒に穏やかな
日々を送る方を選ぶかもしれません。
 
 そういえば公式サイトにはスピリチュアルつながりからか江原さんの
レビューもありましたよ。エハラーな人には理解できる映画なのかも
しれません

 あ~~今知ったよ!!(遅いっ)監督とレイチェル・ワイズって恋人
同士なんだ、しかも子供もいるんだ。って事は「ファウンテン」が
きっかけだったのか??

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『アメリカでもママ友との付き合いは難しいです』

B000XSL026リトル・チルドレン
ケイト・ウィンスレット.パトリック・ウィルソン.ジェニファー・コネリー.ジャッキー・アール・ヘイリー, トッド・フィールド
NIKKATSU CORPORATION(NK)(D) 2007-12-21

by G-Tools

監督:トッド・フィールド

あらすじ
 ボストン郊外に夫と娘と一見幸せそうに暮らすサラ(ケイト・ウィンスレット)。
公園デビューするもママ友たちとはイマイチ溶け込めない。

 ある日ママ友たちが”プロム・キング”と呼んでいるブラッド(パトリック・
ウィルソン
)が息子を連れて公園に現れる。興味あっても声をかけられない
ママ友を尻目にサラはブラッドに話しかけ、彼女たちに見せつけるように
ブラッドと抱き合い、キスをする。

 次第に親密になりとうとう不倫の関係となってしまうサラとブラッド。
お互いに夫婦関係に悩みをかかえていた。

 そんな時、性犯罪者のロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)がこの
町で母親と暮らし始めたことで町中が騒がしくなる。そして、ロニーが
市民プールに現れる…


 公園デビュー、ママ友たちとの付き合い、国は違えど主婦の悩みは
同じなんですね。サラと同じように子供の為には仲良くしておかないと
いけないけど、自分はその中にいると違和感を感じるママさん多い
のではないでしょうか。

 その上、仕事が忙しくて家事や育児はサラに押し付けている夫が
実はネットのエロサイトに夢中になっていて、部屋でひとりHして
いるのを目撃してしまった日には…

 なにしろ、夫は匂いつきパンティを被ってモニターに夢中でナニ
しているんですから。最低ですよ、家に妻がいるのをわかっていての
行為ですから。

 ナニする時には鍵をかけましょう!!

 ブラッドは司法試験の為に今は主夫をしていて、妻キャシーの収入で
生活している。こっちもまた一家の大黒柱は仕事が多忙。

 そんなサラとブラッドが口には出さないけれど、満たされない生活を
お互いしていると感じ、体の関係を持ってしまう。自分たちの空虚な
気持ちを埋めるように。

 かなりハードはラブシーンに出し惜しみなく挑戦しているケイト・
ウィンスレット
。映画の中では美人ではない、と言われているけど
どう見ても美人だぞっ。

 そして、目つきから不気味なロニー。市民プールで潜水しながら
子供たちの足を眺めるシーンはゾッとしました。
 アメリカだと性犯罪者の居所はわかってしまいますからね。
ポスターやチラシで危険を呼びかける少々やりすぎのような行為も
子を持つ親なら納得でしょうね。

 そのロニーに憎悪のような気持ちで毎晩彼の家で嫌がらせをする
ラニー。ブラッドが彼にしてしまった些細な出来事がロニーの家に
悲劇をもたらしてしまう。

 誰もが幸せになりたいと思っている。だから、もがいている。
日常の変化を新鮮な幸せと感じ、それを続けたいと思ってしまう。

 だけど、その幸せは自分が思う幸せで自分の大事な人にとっては
幸せでないのかもしれない。


 ラストでは自分の居場所を見つけて終わります。悲劇がなければ
気付かない事があるって、少し悲しいです。

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『もし後3週間の命だったら、何をしますか?』


監督:ウェイン・ワン(「メイド・イン・マンハッタン」)

出演:クイーン・ラティファ(ジョージア/デパートの販売員)

    LL・クール・J(ショーン/ジョージアの憧れの人)

    ティモシー・ハットン(クレイガン/デパートの会長)

    ジェラール・ドパルデュー(ディディエ/有名シェフ)
   

あらすじ
 ニューオリンズのデパートで働くジョージアは同僚のショーンに
好意を持っているものの内気な性格でまともにしゃべれない。私生活も
質素で楽しみは料理を作ること。

 ある日頭を打ったジョージアは念の為にCTをとることに。医者
から突然宣告されたのは、脳の病気で余命3週間だと。

 ショックで今までの人生を悲観するが、残りの人生を思う存分
楽しもうと預金をおろして”憧れ”ファイルの実現めざして高級
リゾート地へ旅立つ。

 ヘリでホテルに到着、スウィートルームへの支払いも躊躇しない
ジョージアに周りの人たちはどこかのマダムだと思い込む。その中には
彼女のデパートの会長や地元の政治家たちがいた。

 地味に遠慮しながら暮らしてきた人生を吹っ切るかのように豪快な
ジョージアに周りの人たちは好意を持っていく。


 最初は地味な主人公ジョージアに扮するのは「シカゴ」や「TAXI NY」
などで豪快な姐さんキャラの多いクイーン・ラティファ。店員時代は
顔つきが違うので今までのイメージとは大違い。少しスリムになった?

 そのジョージアは料理番組を見ながら料理するのが大好き。だけど
自分では食べない。体の事を考えて隣の子供に食べてもらっている。
 ”美味しい”と思ってもらえるだけで満足。

 それが自分の余命を知ってからのホテル生活では高カロリーの
かたまりのようなフランス料理を次から次へとたいらげる。
 
 セレブの人たちは注文しながらも「油抜いて」だの「いもは
いらない」だの。体に気を使ってますってのがセレブのステータスか?
 作った料理にいちゃもんつけられてるようでそりゃシェフが怒る
のも無理ないよ。
 
 だったら、フレンチなんか食べに来るなっ!!

 人生思う存分楽しもうとまるで「プリティウーマン」のように変わって
いくジョージア。ドレスを買い、エステ三昧、女性なら一度はやって
みたいと思うよ、きっと

 目立たないように言いたい事も遠慮して言えなかったジョージアは
セレブたちに臆する事なく自分の思ったことをぶつけ出す。
 それが見ていて気持ちいいし、セレブたちもその豪快さに彼女に
好感を持ってくる。
 
 泣き所もちゃんとあります。私はフロア係のタカビーなグンデル
さんとのやりとりにやられました。
(アルプスの少女ハイジのロッテンマイヤーさんみたいな感じの人です)

 ジョージアの正体を探るように頼まれたグンデル。彼女がただの
店員だとわかります。そして、見つけてしまった手紙。そこには
自分がもうすぐ死ぬ、との内容が書かれていました。

 今まで嫌味な感じだったグンデルが部屋に戻ってきたジョージアを
そっと抱きしめるシーン。もう涙腺がウルウル~~

 人との交流に弱いみたいです。シェフのディディエやクレイガンの
愛人バーンズ、そしてジョージアの好きな相手ショーン。誰もが
ジョージアを好きになります。

 残り短い人生を思いっきり楽しむジョージアの姿はとても爽快です。
人生いつでもやり直せるんだなぁと感じます。

 ラストは”憧れ”ファイルが”実現”ファイルに変わります。さて、
ジョージアはどんな結末を迎えるんでしょう。
 映画のジャンルとしては人間ドラマとコメディをミックスした感じ
です。だから、実はジョージアは…。
 それは観てのお楽しみ

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    <ラティファ姐さんの出演作>
      

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『僕にしか聞こえない声、あなたは誰ですか?』
 
監督:マーク・フォースター(「ネバーランド」)

出演:ウィル・フェレル(ハロルド/国税庁調査官)

    エマ・トンプソン(カレン/小説家)

    ダスティン・ホフマン(ヒルバート教授)

    マギー・ギレンホール(アナ/ベーカリーオーナー)

    クイーン・ラティファ(ペニー/編集者)

あらすじ
 毎日規則正しい生活をする国税庁職員のハロルド。仕事を真面目に
こなし、無難に一日を過ごしていた。

 ある日それは聞こえ始める。まるで自分を実況中継しているような
女性の声がハロルドだけに聞こえる。精神科医は分裂症の疑いだと
決めつけるが病気だとは思えない。

 文学に詳しいヒルバート教授を訪ね、助言をもらうが納得いかない。
が、教授の部屋のTVからあの声が聞こえてくる。

 声の主は小説家カレン。教授によると10年間書いていない作家で
彼女の今までの作品は主人公の死で終わるらしい。

 そうカレンの新作の主人公は実在するハロルドだったのだ。自分が
死ぬかもしれないと思ったハロルドはカレンに会いに行くが…


 私の中のコメディアンランキング、トップ爆走中のウィル・フェレルの
コメディアンでない顔を見ることができた貴重な映画。
 オーバーアクションもないクドくないウィル、ほとんどニコリともせず
表情を崩さないウィル…こんなウィル見たことないっ!シリアスな演技も
スゴイやウィル!!


 誰かが言ってました。人を泣かせる演技はよりも笑わせる演技の
方がはるかに難しいと。
 だからでしょうか、コメディ出身の俳優のシリアス演技が上手いと
思えるのも。この映画のウィルや「トゥルーマン・ショー」で評価
されたジム・キャリー、アカデミー賞受賞したロビン・ウイリアムズも。

 「主人公は僕だった」の主人公ハロルドは毎日の生活がきっちりと
している。歯磨きの回数だったり、バス停への歩数だったり。
 真面目すぎるほど真面目で娯楽もなさそうな面白みのない人生。
でも彼はそれに満足している。

 ところが自分の行動をナレーションするような声が聞こえ始めて
から変わり始める。
 歯ブラシに仕掛けがないか確かめたり、街中で「誰ですか?」と
大声で叫んだり。(この辺りのハロルドの行動はクスッと笑えます)

 ヒルバート教授の助言から普段とは違う行動を取り始めるハロルド。
昔憧れていたギターを始め、仕事を休んでダラダラと過ごす。

 税金未納で調査に行ったアナの店で彼女に一目ぼれしたハロルドは
仕事に真面目すぎて初対面の印象最悪。でも二人の恋愛は不器用な
うちに始まっていた。

 焼きたてチョコチップクッキーを彼の為に焼くアナ。なかなか食べない
彼にミルクにひたして食べるのよとアドバイス、彼の心がホッと軽く
なるのがよくわかります。
(これがまた美味しそうなんだよなぁ。ミルクにひたすのやってみよ)

 プレゼントに小麦粉を贈るハロルド、台所で洗い物しているアナの
耳に聴こえてくるハロルドのギターと歌声。
 これにはツンデレ姫アナも惚れちゃいました。自分から熱烈キス攻撃。

 そんな恋愛も進む中、カレンの小説の終わり方を知ってしまうハロルド。
 専門家ヒルバート教授もシロウトのハロルドも同じ感想だった。
「これは大傑作。このラスト以外は考えられない」と。

 自分の死を覚悟してそれに向かっていくラストは何ともやりきれない
想いがこっちに伝わってきます。が、それが生きることの素晴らしさを
教えてくれるラストになろうとは思いもしませんでした。

 疲れた心や希望を見失った時に自分を癒してくれるのは、友情や
愛しい人の抱擁、小さなおもいやり…。日々の何気ない出来事には
どれも意味がある、だから生きられる


 とても前向きなラストに涙というよりは心がほのかに温かくなった
のを感じました
 大人のファンタジーのような「主人公は僕だった」、仕事にお疲れの
人には特におすすめです

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『亡くなったはずのママが戻ってきた、そのわけは…』
 
監督:ペドロ・アルモドバル(「キカ」

出演:ペネロペ・クルス(ライムンダ)

    カルメン・マウラ(イレネ/ライムンダの母親)

    ロラ・ドゥエニャス(ソーレ/ライムンダの姉)

    ブランカ・ポルティージョ(アグスティナ/伯母の隣人)

    ヨアンナ・コボ(パウラ/ライムンダの娘)

あらすじ
 働き者のライムンダには失業中の夫と娘パウラがいる。が、ある日夫が
パウラに関係を迫り、抵抗したパウラは彼を殺してしまった。

 ライムンダは娘の為に死体を閉店したレストランの冷蔵庫に隠した。
同じ頃、ひとり暮らしだった伯母のパウラが亡くなる。

 葬儀に出たソーレの車のトランクに火事で死んだはずの母親が忍び
込んでいた。思わぬ再会に喜ぶソーレはライムンダには内緒で母親を
自宅に招き入れる。

 閉店のレストランを借り、映画関係者の食事を作るライムンダは
生き生きとしていた。その姿をソーレの車からこっそりと母親が
見ていたのだった…


 死んだはずの人間が姿を現す…オカルトチックな設定ですが、これは
違います。例え幽霊でも家族が戻ってきたら怖いよりもうれしいのかも
しれません。

 とにかく男運のない女たち。主人公ライムンダの夫は娘(実の娘
ではない)に手を出そうとしたり、尊敬していた父親の本当の姿は
全く違っていたり。

 強い女たちに比べて、まぁ男はどうしようもないヤツばかり。まさに
”女性賛歌”の映画です。実際にカンヌ映画祭では最優秀女優賞に
6人が揃って受賞という快挙がなされました。

 地元スペイン映画で輝くペネロペ・クルスは母親という事でお尻に
パットを入れて大きく見せたそうです。いつもより余計にボン・キュッ・
ボンのナイス・バディ
でございます

 派手な花柄衣装もなんなく着こなすペネロペ。強い女像なのでアイライン
をバッチリ引いています。見事な歌声も聴けます。あ~~美しい~~

 スペインならではの鮮やかな色彩感覚。特にアルモドバル映画では
赤が印象的。

 母親が戻ってきたわけとアグスティナの母親の失踪とが関わりがあり
それが父親の本当の姿をも浮き彫りにしていく。そして、パウラの
本当の父親が誰なのか、悲しい真実も明らかに。

 でも、ライムンダのそばには母親がいる。つらい過去を思い出しても
抱きしめてくれる母親がいる。


 最後は末期ガンのアグスティナを含めて、さらに強くなる女同士の
絆を見せてくれる。男なんて必要ない、そんな女たちの強い絆。

 見終わった後は自分の家族を思い出して、久しぶりに家に帰ろう
とか話をしてみようとか思ってしまうかもしれません

(ゴシップネタ:ペネロペはハビエル・バルデム交際中らしい。
共演作は「ハモン・ハモン」と「ウエルカム!ヘブン」。二人とも
アルモドバル映画に出演経験あり。やはり同郷ってのがいいのか?)


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『ずっと少女のままのポーリーヌ。花と妹が大好き』
 pori

監督:リーフェン・デブローワー

出演:ドラ・ファン・デル・フルーン(ポーリーヌ・次女)

    アン・ペーテルセン(ポーレット・三女)

    ローズマリー・ベルグマンス(セシール・四女)

    ジュリアンヌ・デ・ブロイン(マルタ・長女)

あらすじ
 知的障害のあるポーリーヌは姉のマルタにお世話され二人で暮らして
いた。お使いを頼まれればついつい妹ポーレットのお店に寄り道。
 ポーレットから嫌がられてもポーリーヌはお構いなし。

 突然マルタが亡くなって誰がポーリーヌを引き取るかが問題に。
肉親は三女のポーレットと四女のセシールだけ。

 とりあえず二人は交代でポーリーヌと暮らし始めるが、ポーレット
は大事な舞台を邪魔され、セシールは恋人との仲が険悪になって
しまう。

 ポーリーヌを施設に預ける事にし、ポーレットは海辺の家を買って
一人で住み始めるが、何故か寂しさが募って来る…


 ”ハートウォーミング”、そんな文字に惹かれレンタルしてみました。
別に心が疲れているわけでもないのに、”癒し”や”動物”、”和み
そんな言葉ばかり目につきます(=。=)ふ~…

 初老の四姉妹はみんな独身。長女のマルタはポーリーヌの事だけを
見守る人生だったのかもしれません。三女のポーレットは趣味の
オペラに洋服店経営でこちらも男性の影はなし。唯一四女のセシールは
フランス人の恋人と同棲中。

 マルタの死によりポーリーヌを施設に預けようとしていた二人なのに
どちらかがポーリーヌと暮らさないと遺産が入らない。
 どれだけマルタが大変だったのかは一緒に暮らしてわかるのだけれど、
二人ともすぐにリタイア。

 でも、何故かポーリーヌは邪険にされても怒られてもポーレットが
大好き。ポーレットの色とりどりの布地が並ぶお店やバラの花の包装紙、
なによりいつも身奇麗にしているポーレットが自分の好きな花畑の
ように見えたのかもしれない。

 一緒に暮らしている間ムスッとしているポーレットが時々やさしい
視線をポーリーヌに送っていたり、ポーリーヌにひどい事を言った客に
「ポーリーヌを傷つけたら許さない」と怒鳴ったり。
 
 家族だから姉妹だから、見守っていたい。でも、マルタのようには
出来ないから…


 海辺の家に引っ越してそこの住民たちと交流していても、思い出す
のはポーリーヌと一緒に暮らした数日間のこと。

 靴のヒモも結べないし、パンにジャムも塗れない、レストランで氷が
入ったグラスに「石が入ってる」と大声で言ったり…。
 そんな大変な日々も思い出すと笑えてくるポーレット。

 映画の途中まではあまりにポーリーヌが妹二人に邪険にされるので、
癒されるどころか悲しくなったり、セシールの恋人の態度にムカムカ
したり。

 でも、ちゃんと癒されました、心が暖まりました ъ(^ー^)good
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