映画に興味を持ち始めた
人達に届きますように
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『マンダレイではいまだ奴隷制度が根付いていた…』
監督:ラース・フォン・トリアー(ドッグヴィル)
あらすじ
ドッグヴィルを後にしたグレース(ブライス・ダラス・ハワード)と
ギャングの父親(ウィレム・デフォー)たちはマンダレイの大農場へ
辿り着く。
そこで目にしたのは昔廃止されたはずの奴隷制度がまだ続いていた姿。
グレースは決心する。黒人たちに自分たちの人権を教えなくては。
そして、マンダレイを白人と黒人が共に協力しあえる環境にしなく
ては、と。
グレースと数人のギャングが監視役としてマンダレイに残った。
まず、白人家族たちに黒人と同じ労働を課す事を取り決める。
が、命令される事で仕事を進めていた黒人たちは自分たちの意思で
何を始めればよいのかわからない。綿花を植える時期なのに数人の
黒人しか農場に出てこない。
それでも徐々にマンダレイの共同体はグレースの理想の姿となって
いく。そんな中グレースの意見から伐採された森が原因で砂嵐に
襲われ綿花は大打撃を受けてしまう…
私って実はラース監督同様ドSなのか?精神的に追い込まれドン底を
味わう主人公の前作「ドッグヴィル」は後味の悪さ天下一品なのに
何度も観てしまうんですよね(^ロ^;)
「マンダレイ」はアメリカ三部作の第二作目。ヒロインのグレースは
ニコール・キッドマンからブライス・ダラス・ハワードに交代。
(ブライスはオールヌードや自分で慰めるシーンにも挑戦。黒人青年に
性の妄想もしちゃってます)
そして「マンダレイ」も「ドッグヴィル」同様床に白線を引き、○○宅
や森などと書いただけのとことんシンプルなセット。映画でなく、舞台を
見ているような感覚です。
ドッグヴィルではよそ者を寄せ付けない土地に逃げ込んだグレースが
最初は好意的に受け入れられたものの、徐々に住民たちの憎悪の対象と
なり女たちからは過酷な労働、男たちからは性のはけ口になってしまう
物語でした。
今回のマンダレイはドッグヴィルで奴隷のような扱いを受けた
グレースが逆に今まで奴隷として生きていた黒人たちを解放します。
自分がドッグヴィルで味わった屈辱を彼らに二度と味わってほしく
ないと思ったのでしょうか。
でも再び黒人たちが奴隷として扱われないかを武装して監視する
グレースとギャングたちは白人を含めたマンダレイの人たちには
無理を強いない新たなる支配者に見えたに違いないでしょう。
グレース曰く悪しき法律である”ママの法律”にいまだ囚われて
いる人たちに家屋を修理するよう”法律”では禁止されていた森を
伐採し、”法律”から解放しようとする。
が、結果砂嵐を防ぐ為に伐採を禁止していた森がなくなり、農場は
壊滅状態。
(だから、何も知らない新参者が人々の役に立とうと奮起してもその
土地のルールってもんがあるんだよ)
それに”ママの法律”により黒人たちはグループ分けされている。
グレースはそれにも腹を立てるが、自分もそれを元に黒人たちの
性格の判断材料にしていた。
以前ニュース番組かな、発展途上国の為に裕福な国が物資を提供。
でも、そもそも価値観が違うから本当は途上国の人たちは別の物の方が
有難かったりする。
(自分の価値観での自己満足。相手側の価値観を理解せずに押し付け
がましくもとれる行動)
この「マンダレイ」でのグレースもそう。黒人たちを虐げられ可哀想な
人たちと自分の価値観で判断し、自由を与えた。彼らの為にいい事を
している。アメリカの理想的な姿をここマンダレイで自分が実現しよう
としている。
グレースが最後に知る事になる「マンダレイ」の現実。自分が
彼らには必要ないと思っていた”ママの法律”の本当の意味を教え
られた時に自分の傲慢さを知る。そして…
奴隷制度が廃止されてもそれを受け入れる準備が出来ていない-
エンドロールでアメリカの現状を目にした時にそのセリフを思い出し
ました。
皮肉たっぷりにアメリカを描いた「ドッグヴィル」よりは後味が
悪くない映画。次回作は「ワシントン」の予定。
◆1クリックで↓気分はハッピー◆
<メイキングもドSっぷり発揮してます>
マンダレイ デラックス版 [DVD] ラース・フォン・トリアー ジェネオン エンタテインメント 2006-10-25 by G-Tools |
監督:ラース・フォン・トリアー(ドッグヴィル)
あらすじ
ドッグヴィルを後にしたグレース(ブライス・ダラス・ハワード)と
ギャングの父親(ウィレム・デフォー)たちはマンダレイの大農場へ
辿り着く。
そこで目にしたのは昔廃止されたはずの奴隷制度がまだ続いていた姿。
グレースは決心する。黒人たちに自分たちの人権を教えなくては。
そして、マンダレイを白人と黒人が共に協力しあえる環境にしなく
ては、と。
グレースと数人のギャングが監視役としてマンダレイに残った。
まず、白人家族たちに黒人と同じ労働を課す事を取り決める。
が、命令される事で仕事を進めていた黒人たちは自分たちの意思で
何を始めればよいのかわからない。綿花を植える時期なのに数人の
黒人しか農場に出てこない。
それでも徐々にマンダレイの共同体はグレースの理想の姿となって
いく。そんな中グレースの意見から伐採された森が原因で砂嵐に
襲われ綿花は大打撃を受けてしまう…
私って実はラース監督同様ドSなのか?精神的に追い込まれドン底を
味わう主人公の前作「ドッグヴィル」は後味の悪さ天下一品なのに
何度も観てしまうんですよね(^ロ^;)
「マンダレイ」はアメリカ三部作の第二作目。ヒロインのグレースは
ニコール・キッドマンからブライス・ダラス・ハワードに交代。
(ブライスはオールヌードや自分で慰めるシーンにも挑戦。黒人青年に
性の妄想もしちゃってます)
そして「マンダレイ」も「ドッグヴィル」同様床に白線を引き、○○宅
や森などと書いただけのとことんシンプルなセット。映画でなく、舞台を
見ているような感覚です。
ドッグヴィルではよそ者を寄せ付けない土地に逃げ込んだグレースが
最初は好意的に受け入れられたものの、徐々に住民たちの憎悪の対象と
なり女たちからは過酷な労働、男たちからは性のはけ口になってしまう
物語でした。
今回のマンダレイはドッグヴィルで奴隷のような扱いを受けた
グレースが逆に今まで奴隷として生きていた黒人たちを解放します。
自分がドッグヴィルで味わった屈辱を彼らに二度と味わってほしく
ないと思ったのでしょうか。
でも再び黒人たちが奴隷として扱われないかを武装して監視する
グレースとギャングたちは白人を含めたマンダレイの人たちには
無理を強いない新たなる支配者に見えたに違いないでしょう。
グレース曰く悪しき法律である”ママの法律”にいまだ囚われて
いる人たちに家屋を修理するよう”法律”では禁止されていた森を
伐採し、”法律”から解放しようとする。
が、結果砂嵐を防ぐ為に伐採を禁止していた森がなくなり、農場は
壊滅状態。
(だから、何も知らない新参者が人々の役に立とうと奮起してもその
土地のルールってもんがあるんだよ)
それに”ママの法律”により黒人たちはグループ分けされている。
グレースはそれにも腹を立てるが、自分もそれを元に黒人たちの
性格の判断材料にしていた。
以前ニュース番組かな、発展途上国の為に裕福な国が物資を提供。
でも、そもそも価値観が違うから本当は途上国の人たちは別の物の方が
有難かったりする。
(自分の価値観での自己満足。相手側の価値観を理解せずに押し付け
がましくもとれる行動)
この「マンダレイ」でのグレースもそう。黒人たちを虐げられ可哀想な
人たちと自分の価値観で判断し、自由を与えた。彼らの為にいい事を
している。アメリカの理想的な姿をここマンダレイで自分が実現しよう
としている。
グレースが最後に知る事になる「マンダレイ」の現実。自分が
彼らには必要ないと思っていた”ママの法律”の本当の意味を教え
られた時に自分の傲慢さを知る。そして…
奴隷制度が廃止されてもそれを受け入れる準備が出来ていない-
エンドロールでアメリカの現状を目にした時にそのセリフを思い出し
ました。
皮肉たっぷりにアメリカを描いた「ドッグヴィル」よりは後味が
悪くない映画。次回作は「ワシントン」の予定。
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