映画に興味を持ち始めた
人達に届きますように
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『言葉は通じなくても、心は通じる。森の中で見つけた
心地いい場所』
監督:ジェローム・ボネル
あらすじ
うまく自分の感情表現が出来ないファニー。病院に通院しながら兄夫婦の
家で暮らしている。時々起こす癇癪に兄は困りながらもやさしく接して
くれていた。
ある日ファニーは兄嫁が浮気している現場を目撃。それを兄に伝えられ
ないイライラと「どうせ証拠がない」と開き直る兄嫁。とうとう取っ組み合い
のケンカをしてしまう。
車で家出したファニーはドイツにある父の墓を目指す。途中で知り合った
ドイツ人のオスカー。言葉は通じなくても身振りでやりとりしていくうちに
ファニーとオスカーはお互いを意識し始める。
監督曰く「この映画は前半と後半の二部構成にしたかった」との言葉通り
テーマであるコミュニケーションのあり方が全く逆になっている。
前半は家族でちゃんと言葉でやりとりできているはずなのに上手くコミュニ
ケーションが取れずに心がすれ違う。
後半はフランス人ファニーとドイツ人オスカーの二人の話。相手の言葉
が通じない為身振りで伝えようとする。ちゃんと相手をわかろうとする
気持ちがコミュニケーションには大事だと教えてくれる。
ファニーのようにエキセントリックでどこでキレてしまうのか家族
さえもわからない人は自分でも迷惑をかけているのはわかっていても
どうにもできない。
その世話をする兄でもやはり最初は戸惑ったと妻に告白。両親が亡くなって
ファニーが頼れるのは自分だけ。見捨てる事が出来るはずもない。
そんな難しい小姑と同居している兄嫁も大変だろう。ファニーに気を
使いながら家事をこなす。自分の夫は少し几帳面すぎる面がある。
だからと言って浮気していいとは言えない。
普通にバイトして、普通に兄夫婦と暮らしていても、たまに心地悪さを
感じる。何でも言える兄だけどやはり一番大事なのは妹でなく妻なのだ。
車で家出したファニーは父の墓を目指す。一度も行った事のない父の墓。
村の名前だけを頼りに車を走らせる。が、お金も底をついてきた。
森に住むきこりのオスカー。全く話が通じないけれど父の墓まで案内
してくれた。そして父の墓に”ボンジュール”とあいさつしてくれた。
しばらくオスカーの家でやっかいになるファニー。言葉は通じなくても
何とかなるもんだ。だって、心は少しずつ近づいていくのがわかるから。
森の中を歩いて、立ち止まってキス。また歩いて、立ち止まってキス。
それを繰り返す二人は初恋の相手と両想いになれたカップルのように
子供っぽく、純粋。
そのまま森の中で関係を結ぶ。オスカーの背中とファニーの指先しか
映らない場面。でもファニーの指先が言葉よりも雄弁に語っている。
ラスト。走り続けるかに見えた車。しかし、ブレーキランプがつく。
フランス映画特有の『後は観た人が考えて』の終わり方。でも余韻が残る
終わり方。映画全体を包み込むシューマンのピアノ曲がやさしく穏やかな
空気を感じさせてくれる。
誰でも相手とコミュニケーションが上手くとれない時がある。誰でも
ファニーと同じ。
ファニーは家族と住んでいる時は閉塞感、家出をして開放感、オスカーと
心を通わせていく事でやっと安堵感を手に入れたような気がします。
心地いい場所』
明るい瞳 [DVD] アップリンク 2009-06-05 by G-Tools |
監督:ジェローム・ボネル
あらすじ
うまく自分の感情表現が出来ないファニー。病院に通院しながら兄夫婦の
家で暮らしている。時々起こす癇癪に兄は困りながらもやさしく接して
くれていた。
ある日ファニーは兄嫁が浮気している現場を目撃。それを兄に伝えられ
ないイライラと「どうせ証拠がない」と開き直る兄嫁。とうとう取っ組み合い
のケンカをしてしまう。
車で家出したファニーはドイツにある父の墓を目指す。途中で知り合った
ドイツ人のオスカー。言葉は通じなくても身振りでやりとりしていくうちに
ファニーとオスカーはお互いを意識し始める。
監督曰く「この映画は前半と後半の二部構成にしたかった」との言葉通り
テーマであるコミュニケーションのあり方が全く逆になっている。
前半は家族でちゃんと言葉でやりとりできているはずなのに上手くコミュニ
ケーションが取れずに心がすれ違う。
後半はフランス人ファニーとドイツ人オスカーの二人の話。相手の言葉
が通じない為身振りで伝えようとする。ちゃんと相手をわかろうとする
気持ちがコミュニケーションには大事だと教えてくれる。
ファニーのようにエキセントリックでどこでキレてしまうのか家族
さえもわからない人は自分でも迷惑をかけているのはわかっていても
どうにもできない。
その世話をする兄でもやはり最初は戸惑ったと妻に告白。両親が亡くなって
ファニーが頼れるのは自分だけ。見捨てる事が出来るはずもない。
そんな難しい小姑と同居している兄嫁も大変だろう。ファニーに気を
使いながら家事をこなす。自分の夫は少し几帳面すぎる面がある。
だからと言って浮気していいとは言えない。
普通にバイトして、普通に兄夫婦と暮らしていても、たまに心地悪さを
感じる。何でも言える兄だけどやはり一番大事なのは妹でなく妻なのだ。
車で家出したファニーは父の墓を目指す。一度も行った事のない父の墓。
村の名前だけを頼りに車を走らせる。が、お金も底をついてきた。
森に住むきこりのオスカー。全く話が通じないけれど父の墓まで案内
してくれた。そして父の墓に”ボンジュール”とあいさつしてくれた。
しばらくオスカーの家でやっかいになるファニー。言葉は通じなくても
何とかなるもんだ。だって、心は少しずつ近づいていくのがわかるから。
森の中を歩いて、立ち止まってキス。また歩いて、立ち止まってキス。
それを繰り返す二人は初恋の相手と両想いになれたカップルのように
子供っぽく、純粋。
そのまま森の中で関係を結ぶ。オスカーの背中とファニーの指先しか
映らない場面。でもファニーの指先が言葉よりも雄弁に語っている。
ラスト。走り続けるかに見えた車。しかし、ブレーキランプがつく。
フランス映画特有の『後は観た人が考えて』の終わり方。でも余韻が残る
終わり方。映画全体を包み込むシューマンのピアノ曲がやさしく穏やかな
空気を感じさせてくれる。
誰でも相手とコミュニケーションが上手くとれない時がある。誰でも
ファニーと同じ。
ファニーは家族と住んでいる時は閉塞感、家出をして開放感、オスカーと
心を通わせていく事でやっと安堵感を手に入れたような気がします。
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