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監督 クエンティン・タランティーノ (「キル・ビル」)

出演 カート・ラッセル (スタントマン・マイク)
(前半のガールズ)
    ヴァネッサ・フェルリト (アーリーン)
    シドニー・ターミア・ポアチエ (ジャングル・ジュリア)
    ジョーダン・ラッド (シャナ) ローズ・マッゴーワン (パム)
(後半のガールズ)
    ゾーイ・ベル (ゾーイ) ロザリオ・ドーソン (アバナシー)
    トレイシー・トムズ (キム) メアリー・エリザベス・ウィンステッド (リー)

『サイコ野郎 VS ガールズ・パワー
 最後に笑うのはどっちだ!?』

物語
 地元でDJをしているジュリアはアーリーン、シャナとともに酒場へ
繰り出しバカ騒ぎ。そんな中、行く先々で見かけるドクロマークの車に
アーリーンは不気味なものを感じていた。

 その車の持ち主マイクは酒場でパムをくどき家まで送ることを
承知させる。しかし、車に乗った瞬間マイクが豹変した。まずは
パムを血祭りにあげ、本命のターゲットであるジュリアたちの
車を追いかけ…。

 それから14ヵ月後、マイクは再びある女性グループに目を
つける。が、彼女たちは黙ってマイクにやられる女たちでは
なかった…


感想
 タランティーノ久々の新作。この映画を成分分析すると”65%
の意味ないトークと25%の迫力のカーアクション、10%の
グロい映像”で出来ています。
 こんな意味ないガールズ・トークで物語をひっぱれるなんて
タランティーノじゃなきゃ出来ませんよ。なにしろ彼の十八番
ですからね。
(女同士の会話はほとんどノリですからね、意味ないというより
楽しければイイじゃん、って感じでしょうか)

 前半はこれは70年代が舞台なのかと思わせるような選曲や
女性の髪形。いきなり出る携帯電話のメール送信シーンで、
これは現代なんだと確認。しかも映像にノイズが入ったり
フィルムが飛んだり、白黒になったり、古さと今っぽさが
混在しています。

 ガールズの服がTシャツにショート・パンツ、特にパンツから
のぞく脚をねっとりと撮る所なんて彼のフェチシズム全開です。
脚フェチでなくとも、彼女たちの細すぎない脚は魅力的でした。

 特にアーリーンがマイクに向けてラップダンス(ストリッパー
のような踊り)をする所なんて服はしっかり着たままなのに
相当エロチックです。彼女は「CSI:NY」ではストイック
な雰囲気だったのに…今回はさらにイイです。後半に出演の
チア娘とともに要チェック女優リストに載せておきます。

 映画での重要アイテムであるマイクのダッチ・チャージャーは
耐死仕様、ただし運転席のみ。これを凶器に女たちをどんどん
血祭りにあげていく。自慢の美脚や美しい顔が…悲惨な事に。

 そして後半。マイクがターゲットに選んでしまったのがスタント
ウーマンのゾーイ率いるガールズ。かわいいだけのチア娘は男の
相手をさせといて、残り3人でドライブへGO!
 
 そこでゾーイがボンネットにつかまりスリリングドライブ。
ここは「キル・ビル」でユマのスタントをやっていたゾーイの
見せ場です。CGを使っていない本物のスタント、迫力が
違いますね。

 マイクに追われるガールズたちが黙っちゃいなくて、形勢逆転
してからは鳥肌モン。「ごめんなさい」とか「何でこんな目に」
と自分の事を棚にあげて弱音を吐くマイク、笑えます。

 「THE END」の文字が出た瞬間、エッ!となるほどの
終わり方。スパッと切れのいい終わり方が気持ちいい。
(好ききらいが別れそうですが…)

 以前TVの特集で見たエロの巨匠ラス・メイヤーの「ファスター・
プッシーキャット キル!キル!」みたいなガールズ・ファイト。
メイヤーとタランティーノの違いはラス・メイヤーは巨乳フェチ、
タランティーノは脚フェチという所でしょう。エロさ加減はかなり違いますが。

 音楽もエンドロールで流れる曲、70年代風ガールズムービーに
流れていそうなエイプリル・マーチの歌も最高です。わかりやすく
いえばフランス・ギャルみたいな感じ。
 そうか、スピルバーグの「激突」というよりもタランティーノ版
ガールズ・ムービーだったんだ、と勝手に解釈してしまいました。   

**後半の携帯電話の着メロにはクスッ。「キル・ビル」の
ダリル・ハンナですよ、こういう小ネタはGood!! 

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監督 キム・ギドク (「サマリア」)

出演 チョ・ジェヒョン (ハンギ・売春街の用心棒のヤクザ)

    ソ・ウォン (ソナ・女子大生のちに…)

    チェ・ドンムン (ミョンス・ハンギの子分)

    キム・ユンテ (ジョンテ・ハンギの子分)


『この愛は純愛か、それとも異常な愛情か』
物語
 女子大生ソナは恋人との待ち合わせ中にヤクザな風貌の男に
突然くちびるを奪われる。ショックを受けたソナは男に暴言と
ツバを吐きかけるのだった。

 書店で誰かが落とした財布をネコババしようとしたソナは持ち主
につかまり、他の誰かがぬいた金額まで弁償させられサラ金で借金
をすることになる。担保は自分の身体…。

 しかし、その事件はすべてヤクザのハンギが裏で糸を引いて
いたのであった。彼の目的はソナを売春宿に売り飛ばすこと。
それは恨みというよりは不器用すぎる愛情ゆえのことだった…。


感想
 ”こんな男に引っかかっちゃ、あきまへんで。こんなヤツより
ホストに騙されて金巻き上げられた方がまだましでっせ。
これが俺サマの愛し方、なんて言われてもまぁついていける
ネエちゃんなんてヒロインぐらいかもしれまへんわ”
…とエセ大阪弁になってしまうのも理由があって、この主人公
ハンギがダウンタウンの松ちゃんにそっくり。決してイケメン
ではないですよ。

 いやぁ、この映画二回目だったんですが、理解できません
でした。この究極の愛し方っていうんですか、女性の感覚
だとまるで不愉快で腹立たしく思えるんじゃないでしょうか。

 思うにハンギは一目惚れしてしまい、その相手に罵倒され、
憎悪や恨みというよりは手元に置いて自分と同じように堕落
させる事が彼の愛し方だった??…結局それを受け入れる
って事はS気質とM気質だった?…そんな簡単で下世話な
表現ではないのですが、的確な言葉が見つかりません。

 突然の転落人生で清楚な女子大生から売春婦となってしま
ったソナ。「初めては好きな彼がいい」と甘ちゃんな申し出
を受け入れられ、めでたく娼婦デビュー。

 清楚で街に染まっていないソナは売れっ子に。最初は泣き
ながらの仕事も数をこなしていくうちに自分から「お兄さん、
よってかない」と売り込み開始。それも借金を早く返して
元の生活に戻りたいから。

 そんなソナの部屋をマジックミラー越しに見守るハンギ。
彼女の泣き顔も行為の最中も、彼はずっと彼女を見ていた。
ミラー越しに寄り添う二人が悲しくも美しい。

 ソナはそんなハンギを知らないうちに目で追っていた。
相手の存在が憎ければ憎いほど、心はその存在でいっぱい
になる。憎悪から愛情へ変わったのは、堕ちてしまった
自分を見守り続けてくれたから?

 最後まで決して交わらない身体、多分これからもずっと。
でもこれが二人の精神的な愛の表現。やっぱり自分には
この愛を正当化することは無理だけど、こういう愛もあり
なのか、と未知の領域に踏み込んだ感じ。

 ハンギはしゃべれない男なのかと思ったら物語の中唯一
言葉を発する場面がある。まるで彼の心の声を自分に言い
聞かせるような…
「ヤクザ風情で愛だと…」

 不快であるけれど、途中でリタイヤできないクセがある
映画、まるで食べたことはないけれどドリアンのような
映画でした、ということでお粗末さまでしたm(__)m

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<餃子・香港>
監督:フルーツ・チャン 
出演:ミリアム・ヨン バイ・リン レオン・カーフェイ

<box・日本>
監督:三池崇史
出演:長谷川京子 渡部篤郎

<cut・韓国>
監督:パク・チャヌク
出演:イ・ビョンホン カン・ヘジョン イム・ウォニ

『三つのホラー、どれが好みですか?』
物語と解説
<餃子>
元女優のリー夫人は結婚して裕福になったものの自分の美貌が
衰えていくのを日々感じていた。ある日、若返りの餃子がある
と知り古びたアパートの一室を訪ねる。

謎の女メイは私もこれを食べて若さを保っていると言い、奥から
餃子を持ってくる。しかし、その材料となっているのは…。
リー夫人は材料を知り驚愕するが、若さを取り戻すという魔力に
取り付かれメイの店に通い続け、自らもその材料を手に入れる
のだった…。

(若さや美貌を気にしすぎるとどんな材料を使っていても
自分の為になればいいという考えになるのが怖い。しかも
餃子を食べた後のパーティで生臭いと言われメイにクレームを
つけると近親間のものはパワーが強いから…ってことはあの
女子高生は…。

貧乏くさいアパートなのに光の加減や色つかいが美しいと
思っていたら撮影はクリストファー・ドイルだったんですね。
彼の「恋する惑星」も美しかったです。)

<box>
女流小説家鏡子はいつも悪夢にうなされていた、箱に閉じ込めら
埋められる…。実は鏡子は双生児で幼い頃サーカスで箱を使った
マジックを父親と3人で行っていた。

しかし、鏡子は父親が自分でなく姉ばかり可愛がることに嫉妬
し、姉を箱に閉じ込めてしまった…。

(雪の積もる中を歩くハセキョーがとてもきれいです。感情を
表に出さない無表情な役がピッタリかも。

双子の軟体少女が繰り広げる世界観が乱歩の小説にも出てきそうな
妖しさがある。
ただ全体を通しても話がわかりにくかったかもしれない。まだ
夢の続きのような終わり方だったし…)

<cut>
映画監督リュは仕事で成功し、美しい妻もいて、豪邸に住んで
人がうらやましくなるような生活をしていた。ある日自宅で
目覚めると居間で妻がピアノ線につながれ、自分も紐で縛られ
ていた、そして見知らぬ男が。

彼は自分を思い出さないリュに腹を立て、言うことをきかない
罰として妻の指を一本ずつ切断していく。彼はリュの映画で
何作かエキストラとして参加していた男だった。が、彼の
復讐心はとても理不尽なものなのにリュは妻を助けることも
出来ない。そんな間にも妻の指はまた一本切り落とされていく…

(これが一番面白かった。ピアノ線につながれた妻がマリオ
ネットのようで残酷なのに美しい。そして犯人の男が怖い風貌
とは真逆の普通のユーモアのある顔立ち。変なダンスもするし。

彼が監督を恨むのは不公平だから。監督はハンサムだしお金持ち
だし、それでいて高飛車なところはなく性格もいい、悪い点が
ひとつもない。あまりに理不尽な復讐心。

自分の子供を使ってまで監督を試そうとする、生涯で一番
悪いことをさせてやろうと。最終的に一番怖くて強かった
のは女だったということでしょうか。結果誰もハッピーエンド
にはならなかったけれど…)

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監督 ポール・グリーングラス

出演 コーリイ・ジョンソン デニー・ディロン タラ・ヒューゴ

    サイモン・ポーランド デヴィッド・ラッシュ
    
    クリスチャン・クレメンソン

『9.11テロで墜落したユナイテッド93の
真実は?』 

物語
 2001年9月11日運命の日。いつものように管制センターは
仕事に追われていた。アメリカの空は4000機も飛行機が行き
かっている。

 1機のハイジャック事件が発生、対応に追われていると次々に
連絡のとれない機が4機。しかもそのうちの2機はワールドトレード
センターに激突し、1機はペンタゴンに墜落。

 残りの1機ユナイテッド93内では密かに4人のテロリスト達が
計画を実行しようとしていた。彼らの目標はホワイトハウス、
死をも覚悟した計画を乗客たちは阻止しようと団結するが…。


感想
 解説でも書いてあったのは役者たちを無名の人たちで固めたこと。
それにより映画という実話も架空の話のように見えてしまうところ
をドキュメンタリーのような真実の持つ緊迫感が存分に感じられ
恐怖する乗客たちの心情が伝わってきた。

 前半の管制センター中心のやりとりではあの広いアメリカの
上空を4000機以上もの飛行機が飛び回り、管制官たちが
各機に指示を出し接触しないように始終レーダーに目をやって
いる事がすごいことのように思えた。

 複数のハイジャック機があるのに飛行中止を指示できない。
管制センター一存では決められない組織の複雑さが同時多発
テロを最小限に食い止められなかった原因かも。
まるでこうしてほしいと要望しても上に聞かないととか違う部署
だからと役所をたらい回しにされることに似ているような。

 管制センターから見えるワールドトレードセンターから煙が上がる
シーンは静か過ぎる…あまりにショックでありえない現実にそこに
いた人たちは本当に言葉をなくしてしまったから。

 そんなテロ事件があったことも知らないユナイテッド93の乗客
たちはいつものように目的地に着き、いつものように日常に帰って
いくのだと思っていたのだろう。

 テロリストの持つ爆弾に怯え、圧倒的に数的有利な乗客たちも
抵抗することができない。自分たちが出来るのは死を前にして
家族や愛する人たちに電話をすることだけ。
 
 乗客の中に飛行機を操縦できる人がいた事やあの爆弾はニセもの
かもしれないという事を知った乗客の中の勇気ある男性たちが
テロリストに立ち向かい、この機の墜落を阻止しようとしていく。
(テロリストの武器はナイフと爆弾らしきもの)

 テロリストたちももし乗客たちが団結して襲ってきたらとても
太刀打ちできないと目標へ向かい急いでいた。

 結末は知っていても機内でどんな事が起こっていたかなんて
知らなかったから、この死を前にして数パーセントしかない
助かる確率を信じ、気持ちがひとつになった乗客たち。ユナイ
テッド93は墜落してしまったけれど、彼らがテロリストの
計画を命を持って阻止したという真実は覚えておきたいです。

 それにしてもこの頃大統領は何をしていたんでしょうね、と
考えると事件の伝達がスピーディでなかったから対応も後手後手
になってしまい最悪の結果を生んでしまったかもしれませんね。    

拍手

  
監督 ウディ・アレン

出演 ジョナサン・リース・マイヤーズ (クリス・テニスコーチ)
 
    スカーレット・ヨハンソン (ノラ・女優の卵)

    エミリー・モーティマー (クロエ・セレブ娘)

    マシュー・グード (トム・クロエの兄)

    ブライアン・コックス (アレックス・クロエの父)

『運命のボールはどっちに落ちる?』
物語
 クリスはプロテニスプレーヤーだったが引退して今は会員制
テニススクールのコーチをしている。そこで実業家の息子トムと
知り合った事で妹のクロエととんとん拍子で結婚、義父の会社
では重要ポストを任されるなど順調に上流階級の一員として
階段を上っていく。

 しかし、その裏でトムの元カノでセクシーなノラとの密かな
情事を楽しんでいた。聞きわけのいい遊びの恋愛だと割り切って
いると思っていたノラの独占欲が表面化してきた時にトムは
ある選択を迫られることになる…


感想
 ご注意、タイトルからしてスポコン物と勘違いしないように。

 監督のウディ・アレンはNYを舞台に音楽はジャズが定番。
が、この映画では舞台はロンドンで音楽はオペラを使用。
 そしていつもの軽快なストーリー展開は身を潜め、主人公の
苦悩のような重い空気につつまれている。バックに流れるオペラが
相乗効果をもたらしているようです。

 主人公のクリスは子供の頃貧乏な暮らしだった為に人一倍上昇
志向が強く、テニスコーチとして働き始めたスクールも多分
金持ちと交流ができる…なんて思ったであろう会員制高級テニス
スクール。

 元々イケメンの彼だからトムの妹クロエが一目ぼれするのも
当然。しかも人に好かれやすい性格からかセレブ家族にも快く
受け入れられる。

 反対にノラは男性の目を惹きつける容姿でいながら母親の
意見を尊重したトムに婚約を解消されてしまう。あまりに
セクシーな容姿は時として女性を敵に回してしまうということ
だろうか。

 そんなふたりが出会い、雨の中での情事の後ノラの消息不明で
自然消滅。が、運命の歯車はクリスを官能の罠にはめていく。

 クロエと結婚し、仕事も順調なクリスはある日ノラと再会
してしまう。ノラは女優の仕事もなく、ブティックで働いていた。
 少しでも関係を持ってしまった男女が心の隙間を埋める為に
再燃してしまうのはよくあること。

 順調なクリスにもなにかにつけて子供子供と言う妻クロエに
愛はあるけれど嫌気がさしていたのかもしれない。しかもノラは
クロエにはない女の魅力がたくさんあったから。

 2重生活を続けるも、ばれるばれないのギリギリの状況下で
電話1本でもドキドキする毎日。ノラは情熱的なゆえに嫉妬
深かったりするし、ある事がノラの身にある事が起こってから
クリスは自分の今の金持ち生活かノラとの生活かを選択しなければ
いけなくなる。愛か愛欲か…。

 その選択により、事態はクリスの思うように進んでいくが、
ラストの彼の表情からはこれからは”罪と罰”を背負って生きる
しかなく明るい未来は待っていないだろう…。
 クリスがテニスプレーヤーだったということもあり、ネットに
ひっかかったボールが向こうに落ちれば自分の勝ち、こっちは負け、
という例えをするが、それがラスト近くでのある証拠物件を川に
投げ捨てる場面でフェンスにぶつかってこっちに落ちてしまう。
  match
 この場面でクリスの今後の展開が読めたぞっと思いきやそうは
問屋が卸さなかったのは、さすがウディです、ひねりがきいて
いました。

 前半はドロドロの愛憎不倫ドラマが、後半に向けてサスペンス
タッチに展開するのが面白かったです。ウディも重厚でいながら
こういう若手ばかりの作品を撮るなんでますます精力的に活躍中
というところでしょうか。次回もスカーレットと組んでいます、
彼女は最近のウディのファム・ファタールですね。

拍手

 
監督 ロバート・ロドリゲス(「デスペラード」)

脚本 クエンティン・タランティーノ

出演 ジョージ・クルーニー (セス・銀行強盗)

    ハーヴェイ・カイテル (ジェイコブ・元牧師)

    ジュリエット・ルイス (ケイト・ジェイコブの娘)

    クエンティン・タランティーノ (リチャード・セスの弟)

『ヴァンパイアの待つ地獄の酒場へようこそ』
物語
 凶悪犯ゲッコー兄弟は牧師一家を人質にして、国境を越え
メキシコへ。他の仲間との待ち合わせ場所に指定されたのは
トラック運転手やバイカーたちの溜まり場の怪しい酒場。

 妖艶な踊りでリチャードをとりこにする”地獄のサンタニコ”、
しかしその踊りが終わると店内は一変吸血鬼たちがその姿を
現し始めていた。

 リチャードが犠牲になり生き残った数人で吸血鬼集団に
立ち向かっていくがその数は増えていく。倉庫で見つけた
武器を手にセスとジェイコブ達は圧倒的不利な中闘い続け
なければいけない。ここから生きて帰れるのか?


感想
 この映画は前半の犯罪映画が酒場のシーンになる後半は
なんとスプラッターホラーになってしまうという今までに
なかったようなトンデモ展開をみせます。
 一本で二度美味しい映画というところでしょうか。

 ホラー側での吸血鬼がちょっと棒を突き刺せば貫通して
しまう弱さがあるので店内ヴァンパイアをやっつけるのは
なんとかなったけれど、外からもご来客があろうとは…。

 エロエロ踊り子”地獄のサンタニコ”にはロドリゲス映画
常連ヒロインのサルマ・ハエック。あの胸にあのウエストの
ダイナマイト・ボディがタランティーノに迫りまくります。
女王様と下僕のように「足をお舐め~」の場面がピッタリ
はまる二人、惨劇はここから始まるんですけどね。

 もちろんロドリゲス映画で脇役の人たちもちゃんと出演
しているので彼の映画が好きな人にはたまりません。
 
 オドオドしたジュリエット・ルイスが、最初はヴァンパイアに
杭を刺すのをためらっていたのに、ボーガンを持って殺しまくる
時には凛々しい顔に。「ケープ・フィアー」で見せた小悪魔な
表情も前半チラッと拝めます。ただし、変態ゲッコー弟の妄想の
中でですけど。
 
 後半の血の量や惨劇具合はまぁスゴイのでスプラッター苦手
な人は気分が悪くなりそうです。我慢していれば爽快感に
変わるかもしれませんが…。
 
 とにかく戦うチョイ悪(相当悪だけど)男のクルーニーの
いつもの甘い顔とは違ったクールな面が見られたのは収穫。
刺青姿が結構似合っています。
 「ER」をタランティーノが演出した縁でクルーニーを主役に
抜擢したのでしょうか。あの「ER」のエピソードも特徴的
でした。

 ラストは血とホコリにまみれた二人、ここで甘い結末になら
なかったのは男気があってよかったです。それを受け入れる
もう一人も。よくありがちな○○に発展するのでは芸がない
ですからね。だから何回観ても毎回面白く観られるんですね、
きっと。

拍手

 
監督 森田芳光(「家族ゲーム」) 
原作 江國香織(「東京タワー」)

出演 佐々木蔵之介 (間宮明信・間宮兄でビール会社勤務)

    塚地武雅 (間宮徹信・間宮弟で小学校の校務員)

    常盤貴子 (葛原依子・小学校の先生)

    沢尻エリカ(本間直美・ビデオ店員)

    北川景子 (本間夕美・直美の妹)
『間宮兄弟のほのぼのした日常』
物語
 いい歳なのに兄弟で同居している”間宮兄弟”。どこへ行くにも
いつでも一緒の仲のいい兄弟、女っ気はふたりとも全く無いが全然
淋しくない。
 
 それでも恋はしたいと自宅でカレーパーティを開く事にする。
誘ったのは弟の小学校の先生とビデオ屋のかわいい女の子。恋の
発展は期待できないけれど、日常に女性が関わった事で少しは
”間宮兄弟”に変化は訪れるのだろうか…。


感想
 この映画は時間がとってもゆったりと、気持ちよく流れて
いきます。大した事件が起こるでもなく、一歩間違えたら
キモイ兄弟と思われそうな”間宮兄弟”の普通の日常。

 見た目からすると兄には彼女がいても不思議じゃない。なのに
興味がないというか…多分それは兄弟でいる事がとっても心地
いいから。でも、だからといって他人と関わるのが嫌いとか
じゃなく、ちゃんと日常に変化をもたらそうと女性を部屋に
呼ぶなんて計画を立てたりする所が微笑ましい。

<間宮兄弟の日常>

* TVで野球観戦はスコアブックをつけながら。試合終了後
は紙ふぶきで盛り上がり…その後はちゃんと掃除機で片付け。

* ビデオ鑑賞は電気を消してポップコーンを食べながら。
兄はビール、弟はコーヒー牛乳は必須。

* 毎日夜は恒例の反省会。弟が落ち込んでいるときは
”塩むすび”を忘れずに。

* お母さんの誕生日は三人で食事会。女性の影がなくても
「オンナにモテなくても大丈夫よ~」と母に励ましてもらい、
一安心。

 間宮兄弟のみならず、女性陣のキャラクターもなかなか
魅力的です。依子先生は地味な感じなのにゲームの最中、
間宮弟にチラリと色気を見せてゲームの主導権を握ったりする。

 ビデオ屋の直美ちゃんは野球に夢中の彼氏がいるのに間宮兄弟の
存在でとても癒されている、残念ながら恋には発展しそうもない
けれど。直美ちゃんの妹夕美ちゃんもこっそりと間宮弟の学校に
出没したり、結構お気に入りのご様子。

 多分この”間宮兄弟”役の佐々木さんと塚地さんが嫌いで
なければ、”間宮兄弟”がとっても愛すべき存在のように思える
はずです。

 ゆる~い空気感やゆる~い日常の話が苦手でなければ、
「間宮兄弟」は程よい湯加減のお風呂にゆっくりつかっている
気分になれる映画だと思います。

拍手

 
監督 ソフィア・コッポラ (「ヴァージン・スーサイズ」)

出演 キルスティン・ダンスト (マリー・アントワネット)

    ジェイソン・シュワルツマン (ルイ16世)

    リップ・トーン (ルイ15世)

    ジュディ・デイヴィス (ノアイユ伯爵夫人)

    アーシア・アルジェント (デュ・バリー夫人)

『アントワネットのガーリィでセレブな毎日』
物語
 オーストリアからフランスへ嫁ぐことになったマリー。
その結婚は国と国を結びつけるためだけの政略結婚。そして
生活すべてを人目にさらすという特殊な環境。「それが
ヴェルサイユ」と言われてしまえばそれまで。なんとか
マリーはなじもうとする。

 頼みの綱である夫ルイはマリーに女としての関心をもたない。
ゆえに跡継ぎも出来ない。周りからのプレッシャーやうわさ
に苦しむもセレブな生活がだんだん楽しくなってくる。

 ドレスに靴にスウィーツ、色とりどりの美しいものに
囲まれ、ギャンブルに興じ、散財していくマリー。それも
子供が出来ない寂しさゆえ。

 数年後無事懐妊。長女と長男を出産。ルイも王位を継ぎ、
マリーはフランス王妃という地位を得る。そして運命の
男性フェルゼンと出会い、恋におちる。

 そんなセレブ生活ドップリのマリーには民衆の苦しい
生活の事など知る由もなかった。その民衆の怒りはついに
ヴェルサイユ宮殿へと向かっていくのであった…。


感想
 なんでマリーはルイと対面したときに「写真うつりよすぎ」
と思わなかったかなぁ。”目がやさしそうでしょ”って
マリーも褒める所探すの大変だったでしょうに。

 結婚初夜からセックスレス夫婦。自分に原因はないと
言い切ってたルイ、お前がメタボリック候補男だから
じゃないのか。マリーの誘い方も色気がないとは思うけど。

 『これがヴェルサイユ』生活はどこに行っても何をしても
そこに誰かがいる、それも大勢の人が。公開着替えに公開出産、
まるで政府公認の覗き部屋状態。

 どこに行ってもパパラッチに追い回された悲劇のプリンセス
も似たようなもんだったのでは。子供、跡継ぎ、とプレッシャー
をかけられていたプリンセスもどこぞの国にあったでしょ、
身近な。
 
 そんな窮屈な生活を発散させるにはお金を使って自分の
好きなカワイイものやキレイなものたちに囲まれる事。
ルイと結婚してもLOVEというよりはお国の為、としか
思えないマリー。

 そのLOVEは世継ぎを生んでやっと自分に余裕が持てた
頃やってきた。箱入り娘でルイしか男を知らないマリーは
イケメンで立ち振る舞いがスマートなフェルゼンに夢中に。
(現代だとここでダンナと離婚なんてしそうだけど)

 「パンがないならお菓子を食べればいい」なんて言っても
いないデマを流されても恋も生活もハッピーなマリーは
”右から左へ受け流す”余裕。街に少しでも出ていれば
民衆の生活苦ぶりを目に出来たかもしれないのに。

 表のキレイで華やかな世界しか知らないのがマリーの
最大の不幸。「お金はどこからやってくる?だって使っても
使ってもあるから”そんなの関係ねぇ”」とマリーが言った
かどうか知らないけど、結果お金のない民衆から税金として
しぼりとるしかなかった。

 最後は歴史上の悲劇的な幕切れにならなかったのは、
今までのマリーのガーリィな生活をブチ壊さない為にも
よかったのでは。歴史物というよりは、あれよあれよで
フランス王妃にまでなってしまったひとりの女の子の
セレブな日常を乙女チックな映像でお見せしました、
ということでいかがでしょう。

 乙女な映像美はさすがソフィア・コッポラといった
感じ。悲劇な話もこんなにかわいらしくなってしまう
とは恐れ入りましたm(__)m

拍手

 

監督 富永昌敬

出演 オダギリジョー (飛島芳一・レントゲン技師)

    香椎由宇 (二宮あずき・二宮家四女の女子高生)

    高田純次 (二宮四郎・あずきの父親)

    麻生祐未 (二宮アキノ・長女で女優)
  
    光石研 (香川守弘・第二農響会長アキノの恋人)
『山椒魚が本物でも偽物でも、この恋は
止められないのである』

物語
 自称天才レントゲン技師である飛島芳一。ある日彼の元に
奇妙な依頼人がやってくる。香川と名乗り大金をポンと
差し出す彼はパリ万博にも展示された山椒魚のキンジローが
本物なのか確かめて欲しい、と。

 そのキンジローを管理しているのが二宮家の”サラマンドル・
キンジロー財団”。頼りない父親を追い出し実権は高校生あずき
を除く三姉妹が運営。が、実は資金難に陥っていた。

 キンジロー生誕150年パーティに忍び込んだ飛島は
キンジローを誘拐してきたあずきと一緒に逃げることに
なってしまう。あずきは父親からキンジロー誘拐を頼まれ
、その見返りに母親に会わせてもらうことになっていたのだ。

 飛島とあずきは逃避行するうちに愛が芽生えてくる。しかし
簡単に話は進まずに周りの思惑に振り回される二人。この
恋は成就できるのか、あずきの母親とは?


感想
 山椒魚ってこんななんですね。なんか、ヌメッとしてると
いうよりも乾燥肌気味です。色もカラフルです。ミーとか
ミューとか鳴きます、本物は鳴くの?

 オダギリジョーの変身振りがビックリです。さすが仮面
ライダー出身です、変身はお手の物(関係ないか)。前半は
真面目なレントゲン技師、レントゲン写真に命はってます
(オーバーですが)。
 それが後半のある村に行ってから髪型、ファッション、
そしてしゃべり方までもチョイ悪に。たばこもいっぺんに
4本口にします。まるでシチリアあたりのマフィアか?

 ストーリーは”キンジロー財団”と”第二農響”のキンジロー
を巡る争いから複雑に。ここに次女の夫も関わってくるし。

 この”キンジロー財団”の屋敷や姉妹のファッションが
レトロチックで時々時代背景がわからなくなります。明治?
大正?、いやいや現代だ。あずきの制服姿で再確認。

 あずきと飛島が恋に落ちるきっかけがレントゲンとは、
なんともオシャレ…でもないですね。凛としすぎて色気を
あまり感じたことのない香椎由宇のスリップ姿には飛島
同様ドキッとしました。レントゲン撮影にはブラは外すんだよ、
あずきちゃん。

 普通でない展開をみせるストーリーに、少し普通とはズレ
ている人たち、まともな部類があずきと父四郎のみ。一番
壊れたのはやっぱりオダギリジョーの飛島。途中からわかり
にくい方言でしゃべるから字幕が欲しかったかも。

 とてもクセのある映画なのでクセがあっても平気な人は
観て下さい。あとオダギリジョーの壊れっぷりを見て
みたい人もどうぞ、ご覧あれ。

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監督 デヴィッド・ザッカー (「裸の銃を持つ男」)

出演 アンナ・ファリス (シンディ・キャンベル)

    レジーナ・ホール (ブレンダ・シンディの友達)

    クレイグ・ビアーコ (トム・バツ1子持ち男)

    ビル・プルマン (ヘンリー・”ヴィレッジ”住人)

    レスリー・ニールセン (アメリカ大統領)

ものがたり
 老人介護の職についたシンディは仕事先である家に何か
不気味な空気を感じる。が、ラッキーなことに隣の家の
トム・ライアンと運命的なものを感じる。これって恋?

 そんなトムは街中で宇宙人の襲撃に合う。危険を感じた
トムはふたりの子供とともに町を脱出することに。

 シンディは不気味な家で不気味な白塗りの子供”トシオ”
から宇宙人を倒すヒントをもらい、その場所である”ヴィ
レッジ”に向かう。途中親友ブレンダと再会して。

 ”ヴィレッジ”では”トシオ”の出生に関わるヘンリー
から衝撃の事実を聞くシンディ。”トシオ”の死の原因
に自分が関わっていた、と。

 そんなこんなしている間にも宇宙人の侵略は止まらない。
シンディは”宇宙戦争”を終結できるのか。それはトムの手に
かかっていた…。


感想
 今回は「呪怨」と「宇宙戦争」をベースに一応物語が
進んでいきます。ストーリーはシンディが「呪怨」から
「ヴィレッジ」へ、トムが名前通り「宇宙戦争」での
主役になり、そして二つが交わると「SAW」に変わります。
この無理やり感がとっても美味です。

 原題は「SCARY MOVIE4」、日本では「最○絶叫計画」と
○の部分を変えてのタイトル、ネタがつきたか今回は
ストレートに「最終絶叫計画4」となりました。

 もちろん映画のパロディ満載です。「呪怨」、「宇宙戦争」、
「ヴィレッジ」、「SAW」、「ミリオンダラーベイビー」、
「ブロークバック・マウンテン」など。ラストシーンでは
日本では大スタートム・クルーズがアメリカのTVに出て
大はしゃぎしすぎで寒い空気になった場面が再現されて
います。知らない人はこのまんまだったと思って下さい。

 冒頭は「SAW」の閉じ込められたバスルームのシーン
から。ここにはバスケのシャキール・オニールが出演。
相手のバカさ加減に大爆笑。

 そしてパロディ映画「ホット・ショット」主演の忘れられた
感のあるチャーリー・シーンがバイアグラを間違えて飲んで
下半身が”ホット、ホット”、あげくに地面に突き刺さって
しまいます、合掌。

 ビル・プルマンなんて本当に「The JUON/呪怨」に出演
していましたから。渋いところでは”耳切り男”by「レザボア・
ドッグス」のマイケル・マドセンも出ています。
 人類危機なのにアヒルの心配をするおバカ大統領はパロディ
界の大御所レスリー・ニールセン、久しぶりに見たなぁ。

 そんな元の映画や俳優を知らなくても大丈夫。古典的な
笑いがたくさんですから。壁に頭をぶつけるとか、上から
何かが落ちてくるなど、ドリフで絶対に見た事があるシーン
が多いので素直に笑えます。

 途中から「愛は地球を救う」ならぬ「”トシオ”くんは
地球を救う?」な流れになると、本当の「呪怨」観ても
怖くなくなるかも。
 「呪怨」をヒヤヒヤしながら観る前のワンクッションに
「最終絶叫計画4」はいかがなもんでしょうか。
ちなみに”トシオ”母の”カヤコ”は出てきませんから。

 「SAW」のジグソーっていうか白塗りの人形みたいな
もん、が三輪車に乗ってくるところがベリーキュート。
ただ本当の「SAW」はR15だし、かなり痛々しいので
これを観てもワンクッションとはいかないでしょうけど。
    

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