映画に興味を持ち始めた
人達に届きますように
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監督 小田一生 原作 川原泉
出演 上野樹里 (司城史緒)
伊勢谷友介 (司城一臣)
関めぐみ (斎木和音)
平愛梨 (更科柚子)
菊地凛子 (桜井敦子)
ものがたり
母親が亡くなった事で父親に引き取られていた兄一臣と暮らす
事になった史緒。そこはまるで別世界のような伯爵家だった。
学校も”聖ミカエル学園”という超お嬢様学校に転校した
史緒だったが、今までの庶民の生活とはあまりにも違う為馴染め
ないでいた。が、そんなお嬢様学校にも史緒のようなタイプは
いるわけで、クラスメートの和音と柚子と友達になる。
そんな中各国で良家の子女が誘拐される事件が発生。”聖
ミカエル学園”にも誘拐犯の魔の手が迫っていた。
感想
実写映画でありながら、どこかマンガチックな展開は原作
とは違うものの好き嫌いがわかれそう。前半と後半の雰囲気
がガラッと変わるし、なんで??という疑問も多く説明は
なかった。
それでもお嬢様からはみ出してしまう主役3人はそれぞれ
キャラが特徴的でよかった。特にスレンダー美人の和音役の
関めぐみは「ハチミツとクローバー」やドラマ「ライフ」
などの話題作に出演している。
ちなみにどちらも美人な役柄。
前半の”聖ミカエル学園”内の日常風景はとても面白くて、
それになじめない3人がコッソリとチキンラーメンをすすっ
たり、無理やりお嬢様言葉を使ったりで、このままの雰囲気
で進めばもっと面白かったかもしれない。
(個人的意見ですが)
それが何故か突然超人的パワーを身につけてしまう3人。
『ミカエルさまのおぼしめし』だか何だか知らないけど。
そのパワーも誘拐犯と対決する後半には必要な設定だった?
後半は”聖ミカエル学園”の生徒たちが誘拐され、それを
助けに行く3人の活躍。その姿はまるで「チャールーズ・エン
ジェル」のようです、3人だし。
監督の趣味なのか特撮やアクションてんこ盛りで食傷ぎみ
になってしまいました。アクションの型もやっぱりどこか
「チャーリーズ・エンジェル」で見たことがあるような…、
とても似ています。
予告編から「和製チャーリーズ・エンジェル」のような
感じだったので、それだと納得な後半だったと思いますが
原作からするととても違和感があった事でしょうね。
途中からの展開には不満は残ると思いますが、難しく
考えないでサラッと観るにはいろんなジャンルの映画が
ミックスされていていいかもしれません。
主役の3人はとても魅力的だし、なによりビックリ
だったのはナレーションが久々に聞いた”広川太一郎”
だったこと。
名作?迷作?あの「Mr・Boo」シリーズで御馴染みの
あの声優さんです。そこまでハメを外していないけれど、
彼の声が聞けたのはとてもうれしかったですねぇ。
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監督 森岡利行
原作 牛田麻希(作) 木村文(画)
出演 黒川芽以 (笹岡澪・いじめのリーダー)
沢尻エリカ (新谷麻綺・転校生)
美波 (潮崎マリア・いじめの標的)
野波麻帆 (加藤茜・教師)
ものがたり
笹岡澪はクラスの中でいじめのリーダー。ターゲットのマリア
には恨みもないがただ存在が不快というだけでクラスメートを
巻き込んで彼女をいじめていた。
ある日転校生がやってくる。澪はマリアでなく転校生麻綺を
次のいじめのターゲットにする。が、いじめに対して弱々しい
ところを見せる彼女だったが、実は悪賢い性格だった。
麻綺はクラスメートたちを自分に同情するように仕向け、
今度は澪がいじめのターゲットになってしまう。今まで
友達だと思っていた人たちまでもが澪をいじめだす。
陰湿ないじめにも耐えられなくなった澪は自殺を考えるが
、それを止めた人がいた。それは自分が散々いじめていた
マリアだった。
感想
今ドラマ「ライフ」でも話題になっているいじめがテーマの
映画。そして後で知ったのは原作者の牛田麻希は15歳の
現役中学生でこれを書いたと言う事。
それだけにもしかしたらどんなドラマよりもリアルな内容
なのかもしれない。
いじめの加害者が被害者になった事で知る、自分がどれだけ
相手を傷つけてきたのか。それがなければ主人公澪は自分の
家庭でのストレスや空虚な学校生活の不満をずっとマリアに
ぶつけていたのかもしれない。
転校生といういじめのターゲットになりそうな存在を逆に
利用しいじめ側にまわることで自分の身を守る事を覚えた
麻綺もかわいそうな感じはする。
そんないじめに教師が加わってしまう恐ろしさもあった。
コンビニで万引を澪に目撃されてしまった教師加藤茜は
課題の不正を澪だけのせいにしたり、澪の家庭環境の事を
汚い言葉で吐き捨てたり。
挙句の果てには万引きの件を澪がうそを言ったことに
してほしいと懇願。拒否する澪を卑劣な手でおとしめる。
汚い大人の代表のように描かれている。
それでも澪には自分がかつていじめていた被害者である
マリアとの真の友情が芽生えたり、ぶつかり合った事で
麻綺たちとも理解しあえたり。それがリアリティがある
事なのかは今学生である人にしかわからないだろうけど。
登場人物の中でいじめられて弱い立場だと思っていた
マリアが一番強い人間だった。それはもちろんいじめに
耐えていたこともあるけれど、普通だったらいじめの
リーダーであった澪は許せないどころか恨みを持つ存在
なのに、いじめられて自殺を考える澪を助ける「一緒に
頑張ろう」と。
陰湿ないじめの場面に目を背けたくなるけれど、その後に
待っている友情の物語はきれい事でなく現実にありえる事
であろう事を信じてみたくなりました。
ちなみに沢尻エリカは今や女王様キャラ全開、この役柄は
ホントにピッタリです。そしてマリア役のかわいい容姿の
美波は以前コスメブランド”マジョリカマジョルカ”
のCMに出演していたそうです。
監督 瀧本智行
原作 雫井脩介
出演 豊川悦司 (巻島史彦)
石橋凌 (曾根要介)
笹野高史 (津田良仁)
小澤征悦 (植草荘一郎)
ものがたり
2000年大晦日。児童誘拐事件が発生する。現場指揮官の
巻島は身代金受け渡し現場でミスをし、犯人を逃がしてしまう。
後日誘拐児童は殺害されて発見され、巻島は責任を取らされ
左遷されてしまう。
それから6年後-神奈川県内で連続児童殺害事件が発生。
県警本部長の曾根は巻島を呼び戻し、現場の指揮を担当する
ように告げる。そして、メディアに出ることによって犯人に
接触する”劇場型捜査”に乗り出す。
感想
6年前の犯人がまだ捕まっていないこともあり、今回の
事件もその犯人によるものだと匂わせている。犯人像は
全く絞られないもののベテラン刑事津田の一言が後で意味を
なしてくる。
犯人通称”BADMAN”にTVのニュース番組に出演
することによって接触をしかける役目をする巻島が6年前の
事件でもメディアに露出しバッシングを受けていたという
トラウマを抱えながらの苦悩を感じた。
その巻島のお目付け役ともいえるキャリア組の植草。彼は
本当に嫌で救いようがないほどに描かれている。
ライバル局美人アナウンサーと大学の同期であったことから
彼女を物にする為、それに目の上のたんこぶともいえる巻島の
失脚を狙って、彼女に警察の内部情報や巻島の6年前の失態を
リークすることになる。
それは彼女の女の武器を使っての上昇志向にまんまと植草が
はまってしまった事によるのだが。
あくまで”BADMAN”が誰なのか犯行動機は何なのか、
などはあまり重要ではなかったように思える。それほど、
最後はあっけない幕切れになっていた。
それよりは、警察内部の上下関係による責任のなすりつけや
反対に犯人逮捕による手柄を上司が持っていったり、企業で
ありがちな事が警察内部でも行われているのかと思うと、
現実の事件の釈明会見などに露出している人たちも上からの
指示で責任は他にあるのかもしれないと勘ぐってしまう。
犯人や被害者家族、事件担当の巻島刑事と家族、それぞれが
ひとつの事件によって交差して感情がもつれ合っていくのが
日本映画だったからかとてもよくわかった。
ニュース番組で巻島が犯人に呼びかけるシーンは静かに
それでいて視線は鋭く、内面からの迫力がとても感じられる
シーンだった。
ちなみにこれは”劇場型捜査”だったが初めての”劇場型
犯罪”(TVカメラの前で犯行の一部始終が流れる)を
モデルにした映画はアル・パチーノ主演の狼たちの午後だそう。
監督 荻上直子
原作 群ようこ
出演 小林聡美 (サチエ)
片桐はいり (ミドリ)
もたいまさこ (マサコ)
あらすじ
フィンランドで”かもめ食堂”をオープンしたサチエ。しかし、お客は
なかなか来ない。やっと来たのはアニメオタクの青年ひとり。
ある日書店で日本人観光客のミドリと出会う。そこでしばらく
サチエの家でやっかいになることに。
あいかわらず閑古鳥が鳴いている”かもめ食堂”にマサコという
日本人が入ってくる。
感想
”かもめ食堂”の日常を描いているだけなのに、このゆるい空気が
心地よくてほんわか幸せな気分で観られました。
”かもめ食堂”の家具はなんだか木のいい匂いがしてきそう。
北欧家具もシンプルで人気があるし。キッチンも清潔でやっぱり
食器もシンプルで趣味がよくて、料理が美味しそうに見えるもの。
”かもめ食堂”は道に面している所は前面ガラスだから中を
いつも覗いていくオバちゃん3人組がサチエを見て
「大人なのか、子供なのかわからないわね」
「小さな大人かもしれないわ」
なんてコソコソ言う。そんな本人たちがかなりの体格の持ち主。
日本人は童顔だし、小柄だからそう見えてしまうのもうなずける。
最初の客のアニオタ青年はニャロメのTシャツを着て、
”ガッチャマン”の歌をきっかけに常連になる。そして初めての
お客さんの特権で永久にコーヒーはタダ。
ミドリがフィンランドに来た理由が旅行に行こうとたまたま
指さしたのがここだったという事。その割にムーミンに詳しく、
ミーとスナフキンは異父兄弟とか知っているようで知らなかった
事をサチエに教えてくれる。
中でも印象的だったのはミドリが
「ニョロニョロは電気を食べている」とのウンチクにサチエが
「生き物は何かを食べないと生きていけないから」
と答えた事がこの”かもめ食堂”の存在意義なのかもしれない
なんてことを考えた。
マサコは日本で両親の介護をしていたけれど母に続き父も
昨年他界し、なんだか足かせがなくなったという理由でここに来た。
フィンランドに決めたのはTVで見た地元の人たちがのんびり
していたから。フィンランド人がなぜのんびりできるのか
わからないマサコにアニオタ青年が「森があるから」と。
なんでも即行動のマサコ、その発言を聞くと「ちょっと森へ
行ってきます」と”かもめ食堂”を出てしまう。
その森がとても青々としていてまさにファンタジーな世界。
ここなら確かにのんびり、ゆったりと過ごせそうな雰囲気。
物語のゆったり感もいいけれど、なによりよかったのは
”かもめ食堂”で作られる食べ物の数々。
シナモンロールは本当に甘い香りがしてきそうだし。
(その証拠に映画ではそれに誘われてオバちゃん3人組が初来店)
鮭の網焼き、豚肉のしょうが焼き、はすぐにでも食べたくなるほど
美味しそう。
こんな画面から食べ物の匂いがしてきそうな映画は初めて。
ちょっと前に『パスコ』の食パンのCMが”かもめ食堂”が
舞台だったので見たことある人多そうです。あれもとっても
美味しそうでした。
次々に常連さんが増えていき、そのひとりひとりが幸せそうな
表情で食事をする。心のこもった美味しい物を食べると本当に
幸せな気分になります
食事前にこの映画を見ると必ず和食定食が食べたくなります。
それに『日本のソウルフード、おにぎり』も。
最後にコーヒーを美味しく入れるには本編によると
「コピ・ルアック」と一言つぶやいて入れてみてください(^^)v
監督 高田雅博 原作 羽海野チカ
出演 櫻井翔 (竹本祐太)
蒼井優 (花本はぐみ)
伊勢谷友介 (森田忍)
加瀬亮 (真山巧)
関めぐみ (山田あゆみ)
『甘酸っぱい片想いだらけの青春ものがたり』
ものがたり
美大に通う竹本はある日天才的絵画を描くはぐみに会い、
一目惚れ。一方竹本と同じ寮に住む真山はバイト先の年上
女性理花に片想い、そんな真山を美人の山田が片想い。
そこにエキセントリックな天才森田も加わり、恋と友情の
物語が始まる…。
感想
原作ファンなので、映画版も楽しみにしていました。いくら
おすぎが毒舌で「すごくイイのよ。でも納得できないのは大学生
なのに性に関心ないのよ、現実的じゃないでしょ」と褒めている
のかけなしているかわかわない批評もあったけれど。
確かに大学生にしては健全すぎますが、原作の世界そのまんま
を映像化するとまさにこの映画版なんです。このちょっと昔の少女
マンガ的な青臭い青春が苦手な人には受け付けないかも。
もう充分大人の人にはまだ心が純粋で彼氏or彼女と手をつないだ
だけでドキドキしていたあの頃を思い出すような、同じ年代の人
には純粋なかわいらしい青春映画といったところでしょうか。
**個人的映画の中の胸キュンポイント**
◆竹本くんがはぐちゃんに一目惚れするシーンはスローモーション
と桜の花びらが舞っていて超少女マンガチック。
◆真山が自分は他に好きな人がいるからと山田に言うセリフ
「なんで、オレなの?」
◆四つ葉のクローバーを見たことがない竹本に山田や子供たちが
土手でクローバーを探すシーン
◆5人で海に行き恥ずかしげもなく「これが青春だ〜」と叫ぶ
青春野郎竹本。
◆森田とはぐちゃんの海辺のキスシーンを見てしまう間の悪い
竹本。その上キスで逃げだす超純情派はぐちゃん。
◆真山をやっぱり忘れられない山田が彼におんぶされた時に
「真山好き」と泣きながら言うシーン。
◆はぐちゃんのスランプに「彼女を助けられるのは森田さんだけ」
と自分の出来る事の少なさにママチャリで現実逃避の竹本。
この5人のメンバーで一番の青春は竹本くん。原作でも美大生
なのに個性的でもない普通の男の子、櫻井くんはピッタリでした。
それに原作では小学生みたいな幼さのはぐちゃん。こんな人
実際にいるの?と思ったら小柄ではないものの蒼井優ちゃんの
ほんわかした容姿と声がとてもしっくりはぐちゃんしてました。
中でも印象に残ったセリフ『好きな人に振り向いてもらう
のってなんて難しい』という山田さん。確かにこの広い世の
中で人を好きになって相手も自分を好きになってくれる事なんて
すごい確率の話なのかもしれない。
「好きな人に好きになってもらう、それだけなのに永遠に
揃わないような気がする」
山田さんのそんな恋心を諦める方法は?問いに「難しく考え
ないで諦めなきゃいいじゃん」と一刀両断してしまう森田さん、
やっぱり天才は思考が違います。
大人になったら絶対に恥ずかしくて言えないようなセリフや
行動がいっぱい詰まった映画の中で異色キャラのオカマの
”藤原兄弟”(マリオとルイーズ)
森田さん製作の巨大オブジェにHG風衣装の”藤原兄弟”。
それを触りながら「大きいすぃ〜」「太いすぃ〜」と悶えながら
連呼するシーンが結構気に入ってます。(コメディ好きには外せ
ないシーンです)
”藤原兄弟”が異色だったら、真山も部屋に理花さんグッズ
(それもゴミあさった戦利品)を集めている真性ストーカーで
充分濃いキャラでした。(原作はここまでじゃないです)
原作を読んでいなくてもとりあえず片想いばかり出てくる
映画なんだと念頭に置いておけばこの告白も出来ないでグズグズ
している竹本くんあたりが一番感情移入しやすいかも。
たまにはこういう「これが青春だっ」な映画も心をファブ
リースしたように除菌されていいかもしれませんね。
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