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『ドイツにいるはずの父親に会いにいく幼い姉弟。
過酷な旅路の先にあるものは…』


kiri
監督:テオ・アンゲロプロス

あらすじ
 姉ヴーラは幼い弟アレクサンドロスを連れ電車に飛び乗った。

 母親と姉弟の家族。父親はドイツにいると聞かされていた。その
父親に一目会いたいが為の家出。しかし、警察に捕まり伯父の元に
連れて行かれる。

 そこでヴーラが知る父の存在の真実。

 しかし、旅は止めなかった。二人きりで遠いドイツの地へ行くのだ。
途中で会った旅役者の青年とのつかの間の交流。別れた後のヴーラの
身にふりかかる不幸。

 それでも姉弟はドイツへ向かい歩き出すのだった。父親と会うという
信念だけが二人を勇気づけていた。



とにかく重い映画です。「母を訪ねて三千里」
よりも過酷です。ヴーラが女の子だから余計に
痛々しいです。


会った事もない父親。行った事もない土地。その未知への不安をも
消してしまう姉弟の”父親に会いたい”という覚悟。

お金もない二人はそれを稼ぐ方法も知らない。しかし厳しい現実と
人々によってその方法を身につけていく。

アテネからドイツまでがどれだけの距離で電車や車、時には徒歩で
どれだけかかるのか私にはわからない。それに電車ならドイツ付近
までは正確に行けるだろうけど旅費がない。車や徒歩でそれが本当に
ドイツに向かっているのか子供ならばなおさらわかるはずない。

でも、二人は信じていた。自分たちがドイツに向かっているのだと。

途中で出会う旅役者の青年。3人で過ごす数日間はとても楽しくて
とても安心できる日々だった。でも、二人は旅立ってしまう。

その後ヒッチハイクでトラックに乗せてもらうが途中のドライブインで
運転手が娼婦を買えなかった事で姉がその朝身代わりにさせられて
しまう。

自分の手についた血を呆然と眺める痛々しい場面。

その時には涙も流さなかった姉が旅役者の青年に再会し、嗚咽して
彼の胸で泣くシーンはさらに痛々しい。彼は彼女の初恋の相手。
心を許したから流れる涙も押さえつけていた感情も全て出てしまった。

再び別れの時が来る。本当は離れたくない3人。

ドイツへ行く電車に乗る為に姉は女を使う。じっと兵士を見つめて
目を反らさない姉の姿はもう子供ではなかった。お金を稼ぐ方法を
見つけた覚悟。

川を渡り二人が見た霧で先が見えない風景。そして…。

あの川が象徴するのはもしかしたら本当に二人が行き着いた先?
国境を越えるシーンでのあの音で本当は二人は…。だから、川は
あの川を意味していて…。


ネタバレになるからこれ以上は書けませんが、ラストシーンは
そんな想像もしてしまうほど意味深で、はっきりした結末は
迎えていないように思えました。

確かに重い映画です。昔観た時以上に重く感じました。
だからこそ、姉弟と青年の交流はそのまま続いて欲しいと
切に願ってしまいました。

もうドイツに行かなくてもいいんじゃないの。ここまで来たん
だから立派だよ。それにドイツにはもう意味はないんだもの。


この映画は精神的に落ち着いている時に観て下さい。不安定な
時期だと途中でリタイアしてしまうかもしれません。ラストシーン
は静寂としたとても美しいものでした。

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無題
お久しぶりです(^^)そして明けましておめでとうございますです(^∀^)今年もマッタリとヨロシクですよ♪

重い映画を割と好むので、凄くこの映画が観たいと思いました。レンタルショップで題名言って店員にあるか調べてもらおう(自分では探さない)
miyo URL 2011/01/18(Tue)16:39:50 編集
miyoさんへ
こちらこそ、あけましておめでとうございます。
そちらに訪問できなくてすいません。ここもほとんど更新
してなかったので、来ていただけてうれしかったです。

この映画のタイトル忘れてまして、偶然BSでの放送が
あって再鑑賞してみました。やはり重い!!
おねーちゃんがとにかく可哀想。でも女の武器の存在も
わかって大人になるのですが。
ラストは…解釈いろいろです。是非!!
サイモン 2011/01/20(Thu)23:40:33 編集
無題
早速レンタルショップで定員に探してもらったら、無いうえにDVD出てないと言われた…でもBOXで販売してるじゃないか〜↑ 同タイトルの映画があってそれと間違えてるんじゃないだろか?残念(T-T)
miyo URL 2011/01/27(Thu)18:15:57 編集
miyoさんへ
あれ?DVD出てないんでしたか。
残念です。
私が昔観たのはビデオだったのかなぁ。遠い過去過ぎて
覚えてないのですが。
今回はBS2で放送されていたので観ました。
発売もBOXのみみたいですね、ホントに残念。
サイモン 2011/01/28(Fri)01:50:53 編集
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